セルフメディケーション税制とは?まずは定義から
- 対象の薬:スイッチOTC医薬品100成分と、それ以外の一般用医薬品42成分を含む薬(No.1132、令和8年4月1日現在)
- 使える人:健診や予防接種など、健康のための一定の取組を行っている人(No.1129)
- 医療費控除との関係:どちらか一方を選びます。併用はできません(No.1129)
- いまの対象期間:2026年12月31日までの購入分(No.1132)
仕組み:控除額と使える条件
控除額の計算式
健康のための取組と書類
- 保険者が行う健康診査(人間ドックなど)
- 市区町村が行う健康診査
- 予防接種
- 勤務先で行う定期健康診断
- 特定健康診査・特定保健指導
- 市区町村が行うがん検診
| 取組 | 書類の例 | 書類に必要な記載 |
|---|
| 予防接種 | 領収書または予防接種済証 | — |
| 職場の定期健康診断 | 結果通知表 | 「定期健康診断」の名称または勤務先名称 |
| 特定健康診査 | 領収書または結果通知表 | 「特定健康診査」の名称または保険者名 |
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出典:国税庁No.1134
セルフメディケーション税制でいくら戻る?12パターン試算
試算の前提
- 戻る額=控除額×(所得税率×1.021)+控除額×10%
- 所得税率は国税庁No.2260の速算表によります。課税所得195万円未満は5%、195万〜330万円未満は10%、330万〜695万円未満は20%です
- ×1.021は、同ページの復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)の分です
- 住民税10%は、総務省「個人住民税」の所得割の標準税率(道府県民税4%+市町村民税6%)です
- この特例は所得税と個人住民税の両方が対象です(厚労省 第5回有識者検討会資料の表題「(所得税、個人住民税)」)。後述の財務省サイト掲載資料の計算例も、両方の減税額を示しています。住民税の課税所得は所得税と一致しない場合がありますが、本記事では同額とみなします
| 課税所得(所得税率) | 購入1.5万円 | 購入3万円 | 購入5万円 | 購入10万円 |
|---|
| 控除額 | 3,000円 | 18,000円 | 38,000円 | 88,000円 |
| 195万円未満(5%) | 約453円 | 約2,719円 | 約5,740円 | 約13,292円 |
| 195万〜330万円未満(10%) | 約606円 | 約3,638円 | 約7,680円 | 約17,785円 |
| 330万〜695万円未満(20%) | 約913円 | 約5,476円 | 約11,560円 | 約26,770円 |
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※本記事の試算(2026年11月4日時点の税率による)。補填なし。ほかの控除、税率の区分をまたぐ場合、住民税が非課税の場合は考慮していません。
注意課税所得は年収とは違います。源泉徴収票や確定申告書で確かめましょう。
利用状況と対象薬の広がり
セルフメディケーション税制の対象医薬品は?見分け方
| 種類 | 中身 | 成分数(令和8年4月1日現在) |
|---|
| スイッチOTC医薬品 | 医療用から転用された一定の医薬品 | 100成分 |
| それ以外の一般用医薬品 | 告示の成分(アスピリン、アセトアミノフェンなど)を含む薬 | 42成分 |
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出典:国税庁No.1132
- パッケージの識別マークを見る。No.1132によると、マークが掲載されているのは一部の対象医薬品です
- レシートの表示を見る。令和3年3月10日の厚労省検討会資料には、現行の対象商品はパッケージ上とレシート上に税制対象マークが印字されていると書かれています(第5回有識者検討会資料に再掲)。表示の有無は店舗で確かめましょう
- 厚生労働省の対象品目一覧で調べる(No.1132が案内)
セルフメディケーション税制は2027年からどう変わる?
| 項目 | 2026年購入分 | 2027年分以後 |
|---|
| 適用期限 | 2026年12月31日購入分まで(No.1132) | スイッチOTC:撤廃/それ以外:5年延長(大綱) |
| 追加 | なし | 消化器官用薬、一定の生薬を含む鎮咳去痰薬、一般用の体外診断用医薬品のうち一定のもの、同じ成分の薬局製造販売医薬品(大綱)。検査薬の例は新型コロナ、新型コロナ・インフルエンザ、排卵日予測(検討会資料) |
| 除外 | 4成分が2026年1月から対象外(専門家会合資料) | 痩身・美容目的で使われる可能性がある薬(大綱) |
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注意除外の経過期間は対応案の段階です。2026年11月4日時点のNo.1132には2027年以降の内容は載っていません。申告前に国税庁・厚労省の最新情報を確かめてください。
メリットとデメリット
メリット
- 低いハードル:医療費控除の足切り額は10万円(総所得金額等200万円未満なら5%)ですが(国税庁No.1120)、この税制は1万2千円超で使えます(No.1129)
- 家族分の合算:生計を一にする家族の購入分も入ります(No.1129)
デメリット・注意点
- 手間のわりに戻る額が小さい:年1.5万円の購入なら、本記事の試算で約450〜910円です(課税所得695万円未満、住民税10%の前提)
- 確定申告が必要:No.1129の手続きは、明細書を添えた確定申告書の提出です。年末調整での手続きは書かれていません
- ワンストップ特例が使えなくなる:確定申告をすると、ふるさと納税のワンストップ特例は適用されません(総務省 ふるさと納税ポータル「税金の控除について」)。寄附金控除も申告書に書きましょう
- 上限の目安が少し下がる場合がある:同ページでは、住民税の特例分の上限は住民税所得割額の2割です。所得割が減れば上限も下がる計算です(本記事の解釈)
具体例・ケースで理解する
共働き夫婦の場合
2027年3月からのOTC類似薬の追加負担
注意持病がある方は、自己判断で処方薬をやめず、主治医に相談しましょう。
始め方・使い方:確定申告の5ステップ
- 取組の書類を保管する:予防接種の領収書や健診の結果通知表など(No.1134)
- 対象薬のレシートを保管する:確定申告期限等から5年を経過する日まで、提示や提出を求められる場合があります(No.1129)
- 合計額を計算する:家族の分も合わせ、1万2千円を超えるか確かめます
- 明細書を作る:「セルフメディケーション税制の明細書」に記入します(No.1129)
- 確定申告書を出す:明細書を添えて提出します(No.1129)
医療費控除とどっちが得?違いを比較
| 項目 | 医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
|---|
| 対象 | 自分や生計を一にする家族の医療費 | 対象の市販薬の購入費 |
| 足切り額 | 10万円(総所得金額等200万円未満なら5%) | 1万2千円 |
| 上限 | 200万円 | 8万8千円 |
| 健診などの条件 | なし | あり |
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出典:国税庁No.1120、No.1129
注意選んで申告したあとは、更正の請求や修正申告で切り替えられません(No.1129)。提出前に両方を計算してください。
まとめ
最終確認日:2026年11月4日。本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務・医療の助言ではありません。
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