注意本記事の試算はすべて一定利率が続いた場合の概算です。将来の運用成果を約束するものではなく、個別の投資判断は専門家にご相談ください。
複利とは?わかりやすく一言でいうと
| 経過年数 | 単利(年3%) | 複利(年3%) | 差額 |
|---|
| 10年 | 130万円 | 約134万円 | 約4万円 |
| 20年 | 160万円 | 約181万円 | 約21万円 |
| 30年 | 190万円 | 約243万円 | 約53万円 |
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※100万円を運用した場合の税引前の試算です。増え方が「直線」ではなく「曲線」になるのが複利の特徴です。
複利効果とは?「効いている」と言えるのはどんなときか
- 再投資されている:利息や分配金を受け取って使ってしまうと、増え方は単利と同じになります
- 利率がプラスである:マイナスの年には同じ理屈で下方向に働きます
- 期間が十分に長い:後述のとおり、複利の純寄与は運用年数のべき乗でしか増えません
補足「複利効果はすごい」ではなく「複利効果は年数のべき乗でしか効かない」と理解するほうが、期待値を誤りません。
【独自】複利を3段階で計算し直す:名目・税引後・インフレ調整後
- 日本銀行は2026年6月15・16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げることを決定しました(日本銀行 議事要旨)。政策金利1%台はおよそ31年ぶりの水準です
- 3メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)は普通預金金利を0.3%→年0.4%に引き上げ、2026年8月3日から適用しています(日本経済新聞 2026年6月16日報道)
- 預貯金の利子は源泉分離課税で、所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%=合計20.315%が源泉徴収されます(国税庁 タックスアンサーNo.1310、令和7年4月1日現在の法令等)
- 全国コアCPI(生鮮食品を除く総合)は2026年6月に前年同月比+1.6%(指数113.1、総務省統計局 2026年7月24日公表)
100万円を20年置いた場合の3段階分解表
| 運用先 | ①名目複利額 | ②税引後 | ③インフレ調整後(実質) | 20年後の実質増減 |
|---|
| メガバンク普通預金 年0.4% | 約108.3万円 | 約106.6万円 | 約77.6万円 | −約22.4万円 |
| 半年複利の定期預金 年0.7%想定 | 約115.0万円 | 約111.8万円 | 約81.4万円 | −約18.6万円 |
| NISAでの投資信託 年5%想定 | 約265.3万円 | 約265.3万円(非課税) | 約193.1万円 | +約93.1万円 |
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※計算前提:①預金は年1回複利 P×(1+r)^20、半年複利は P×(1+0.007/2)^40。②預金は利息に20.315%課税されるため実効利率=r×0.79685(0.4%→年0.319%、0.7%→年0.558%)で再計算。NISA口座内の運用益は非課税のため年5%のまま。③②の金額を1.016^20(コアCPI+1.6%が20年継続と仮定)で割って実質化。金利は2026年8月時点の公表値、税率は国税庁No.1310、CPIは総務省統計局2026年6月分に基づく概算です。投資信託の年5%は仮定値であり、元本割れの可能性があります。
- 普通預金0.4%は、税引後で年0.319%。インフレ1.6%を下回るため、実質では20年で約2割目減りする計算になります。「金利が上がったから預金でも複利が効く」は、名目だけを見た誤解です
- 半年複利の定期預金でも、実質マイナスという結論は変わりません。複利の頻度より、税率とインフレ率の影響のほうがはるかに大きいということです
- NISAの非課税は「20.315%を引かれない」だけでなく、引かれなかった分がそのまま再投資に回るため、年数が長いほど差が開きます
注意インフレ率が20年間+1.6%で続く前提はあくまで仮定です。実際のインフレ率は変動しますが、「名目だけで判断しない」という考え方自体は環境が変わっても有効です。
半年複利とは?定期預金の商品設計から理解する
- 1年複利:年1回、利息を元本に組み入れる
- 半年複利:半年ごとに組み入れる(年利率rなら (1+r/2)^(2×年数) で計算)
- 1カ月複利:毎月組み入れる(毎月積立の運用はこれに近い動き)
半年複利を選べる条件
| 項目 | 内容 |
|---|
| 単利型 | 預入期間1カ月〜2年 |
| 複利型(半年複利) | 預入期間3年〜10年・個人のみ |
| 金利区分 | 300万円未満=スーパー定期/300万円以上=スーパー定期300 |
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※商品性は金融機関により異なります。実際の適用金利・取扱期間は各金融機関の商品概要説明書でご確認ください。
【独自】投資信託の複利とは?本当に複利なのかを検証する
運用会社自身の説明を確認する
なぜこの区別が初心者に必要なのか
注意過去の実績は将来を保証しません。上記は1985年以降の一定条件下での試算結果であり、今後同じ結果になるとは限りません。
【独自】積立の増加分は本当に複利か?3層に分解する
| 積立期間 | (A)積立元本 | (B)単利相当の運用益 | (C)複利による上乗せ | 総額 | (C)が増加分に占める比率 |
|---|
| 5年 | 60.0万円 | 7.7万円 | 0.3万円 | 約68.0万円 | 約4% |
| 10年 | 120.0万円 | 30.2万円 | 5.1万円 | 約155.3万円 | 約14% |
| 20年 | 240.0万円 | 120.4万円 | 50.8万円 | 約411.2万円 | 約30% |
| 30年 | 360.0万円 | 270.6万円 | 201.5万円 | 約832.1万円 | 約43% |
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※(B)は各回の積立額に対して単利のみが付いた場合の運用益、(C)=総額−(A)−(B)。税金・手数料は考慮しない概算です。端数処理の関係で合計が一致しない場合があります。
- 5年では、増えた分のうち複利の純寄与はわずか約4%。「複利はすごい」と期待して始めると、5年目に「思ったより増えていない」と感じて途中でやめてしまいます
- 20年でようやく約30%、30年で約43%。複利は年数のべき乗でしか効かないため、効いてくるのは後半です
- 積立の場合、後半に積んだ資金には複利の期間がほとんどありません。最終回の1万円には、複利どころか運用期間そのものがほぼゼロです
複利の力とは?運用年数を最大化する2026〜2027年の制度
NISAが複利に効く理由を税率で見る
2027年1月開始の「こどもNISA」
補足制度は改正される可能性があります。最新の内容は金融庁NISA特設ウェブサイトでご確認ください。
あなたが期待している「複利」はどれ?判定チャート
Q1. 元本保証が必要ですか?
- Q1-a. 預入期間は3年以上ですか?
- YES → 半年複利のスーパー定期が選べます(個人のみ)
- NO → 単利型のみ。複利は使えません
- Q1-b. 預入額は300万円以上ですか?
- 300万円以上 → スーパー定期300で金利区分が変わります
- 実効利回りの目安:表示金利 r × 0.79685(20.315%課税後)。これがコアCPI+1.6%を下回るなら、実質では目減りします
Q2. 保有する投資信託は分配金を出しますか?
- Q2-a. 受取型ですか、再投資型ですか?
- 受取型 → 再投資されないため複利効果はありません
- 再投資型 → 複利に近い動きになります。ただし課税口座の場合、分配のたびに20.315%が引かれた残りしか再投資されません
Q3. NISA口座で運用していますか?
「わかったつもり」に注意:日本人の金融リテラシーの現在地
| 調査項目 | 結果 |
|---|
| 全体の正答率 | 53.8%(前回比−1.9ポイント、2016年の調査開始以降で最低) |
| 「金利が上がったら債券価格はどうなるか」の正答率 | 全体25.7%/18〜20歳代18.6% |
| 金融経済教育を受けた人の割合 | 8.7%(前回比+1.6ポイント) |
| 受講者と未受講者の正答率差 | 受講者66.7% / 未受講者52.6% |
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※債券価格の設問の数値は、J-FLEC調査を分析した日本総研レポート(2026年)による。
複利の注意点:逆方向に働く3つの場面
1. 下落局面では同じ理屈で減る
2. 借入では複利があなたの不利に働く
3. 途中で取り崩すと連鎖が止まる
手数料も複利を削る
注意複利は「放っておけば増える魔法」ではありません。増える方向に働かせるには、プラスのリターン・再投資・十分な期間という条件がそろう必要があります。
複利を生かす始め方(初心者向け5ステップ)
- 目的と期間を決める:老後資金・教育費など「いつまでに・何のために」を先に決めます。3層分解表のとおり、複利が効いてくるのは20年以降です
- 生活防衛資金を確保する:生活費の3〜6カ月分程度を預金で確保しておくと、急な出費で積立を崩さずに済むとされています。ここは複利より流動性を優先します
- 自分の実効利回りを計算する:預金なら表示金利×0.79685とコアCPI+1.6%を比べます。NISAなら非課税のまま。この一手間で期待値のズレを防げます
- NISA口座で分配金再投資型の投資信託を積み立てる:月100円〜1万円など無理のない金額で自動積立にします。信託報酬の低い商品が基本です
- 金融庁のつみたてシミュレーターで自分の数字を試算する:金融庁NISA特設ウェブサイトのつみたてシミュレーターに、毎月の積立額・想定利回り・積立期間を入れるだけで試算できます。民間サイトに頼らず一次ツールで確認できます
まとめ:複利は「魔法」ではなく「年数のべき乗」
よくある質問
複利とは何ですか?わかりやすく教えてください
半年複利とは何ですか?1年複利とどちらが有利ですか?
投資信託の複利とは何ですか?預金の複利と同じですか?
2026年の預金金利でも複利の効果はありますか?
複利の力とは何ですか?お金が2倍になるには何年かかりますか?
複利のシミュレーションはどこでできますか?
複利運用を非課税でしたい場合、どの制度が使えますか?
最終確認日: 2026年8月7日
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