まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
注意
この記事は一般的な情報です。金利・手数料・税制は変わることがあります。取引の前に、各金融機関の最新情報を確認してください。
外貨預金のデメリットとは?4つを表で確認
| デメリット | 何が起きる? | 根拠・目安 |
|---|---|---|
| 為替変動 | 円高になると、円に戻したときに減る | 1万ドルなら1円の円高で1万円減る(記事内の単純計算) |
| 為替手数料 | 預けるときと戻すときの両方でかかる | 三菱UFJ銀行の米ドル:ネット片道25銭・窓口片道1円(同行の手数料表) |
| 税金 | 利息は20.315%の源泉分離課税。為替差益は実務上、雑所得として扱われ、雑所得の損失は給与などと通算できない | 国税庁No.2230・No.2250(令和8年4月1日現在法令等)、税務大学校論叢114号(令和7年6月) |
| 預金保険 | 保護の対象外 | 破綻時は財産の状況に応じた支払いで、一部カットされることがある(預金保険機構) |
仕組み:手数料はTTSとTTBの差に含まれている

| 通貨 | ネット | 窓口 | 窓口÷ネット |
|---|---|---|---|
| 米ドル | 25銭 | 1円 | 4倍 |
| ユーロ | 25銭 | 1円50銭 | 6倍 |
| 豪ドル | 50銭 | 2円 | 4倍 |
| 英ポンド | 50銭 | 4円 | 8倍 |
2026年の金利環境:円の金利ゼロという前提が変わった
- 2026年6月16日:日銀が無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促す方針に変更(日本銀行 公表文)
- 2026年8月3日から:3メガ銀(みずほ・三菱UFJ・三井住友)が普通預金金利を0.3%から年0.4%に引き上げ(ニッキンの報道、2026年6月16日)
- 2026年9月18日:日銀が同じく1.25%程度に変更(日本銀行 公表文)
- 2026年11月2日から:3メガ銀が普通預金金利を年0.5%(税引前)に引き上げる予定(Impress Watchの報道、2026年9月20日)
元本割れ・税金・預金保険の注意点
元本割れの3つの原因
- 円高:円に戻すときのレートが下がる
- 往復の手数料:為替が動かなくても減る
- 期間が短い:1ヵ月物などは利息が少なく、手数料をまかなえないことがある
税金
- 利息:20.315%(所得税15.315%+地方税5%)が源泉徴収され、それで課税が終わります(国税庁 No.2230)。同ページによると、令和8年度税制改正(令和9年以後適用)でも合計税率は変わりません。
- 為替差益:税務大学校の論文(令和7年6月)は、為替差損益は実務上雑所得として扱われていると述べ、東京地裁令和5年3月9日判決が雑所得に当たると判示したことを紹介しています(税務大学校論叢114号)。雑所得の損失は、給与など他の所得から差し引けません(国税庁 No.2250)。
- 為替予約付きの例外:元本と利息をあらかじめ決めたレートで円などに換えて支払う外貨預金の場合、換算差益は20.315%の源泉分離課税の対象です(国税庁 No.1520)。
- 確定申告:給与を1か所から受けていて全額が源泉徴収される人は、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると申告が必要です。給与収入が2,000万円を超える人は、それとは別に申告が必要です(国税庁 No.1900)。住民税は自治体に確認してください。
円に戻さなくても課税される場面
- 同じ通貨のまま預け替える場合:元本部分の為替差損益は認識しません。別の銀行へ移す場合も同じです(事例「外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い」)。
- 外貨預金を払い出して外貨建MMFに投資した場合:投資した時点で為替差益を所得として認識します(事例)。
- 米ドルをユーロなど別の外貨に替えた場合:交換した時点で為替差益を認識します(事例)。
預金保険の対象外
具体例:キャンペーンの年7%で実際いくら残る?
前提(キャンペーンの条件と仮定)
- 商品:三菱UFJ銀行「外貨定期優遇プラン」(2026年10月1日〜12月30日)。米ドル1ヵ月物が年7.0%(税引後5.577%)で、円から預ける場合が対象です。最低預入額はネットが10万円相当以上、窓口が100万円相当以上です。適用は初回だけで、自動継続時は継続時点の店頭表示利率になります。中途解約は原則として取り扱いません(三菱UFJ銀行、2026年10月1日現在の表示)。
- 預け入れ時の手数料:同じページでは、ネットは「預入時為替手数料の優遇はありません。平常時同様、25銭」です。窓口の「通常1円が25銭に」は、窓口限定のエクセレント倶楽部会員限定プラン(入会には条件と審査あり)の説明に書かれています。一般の窓口申し込みには優遇の記載がないため、この試算では通常の1円で計算します。
- 仮定(実際の相場ではありません):元本1万ドル、TTMは158.17円で、預けたときと満期のときのレートは同じとします。利息は同行の計算例と同じく「年利×30日÷360日」で計算します。円に戻すときの手数料は、手数料表の通常の額(ネット25銭・窓口1円)を使います。
| 項目 | ネット | 窓口(一般) |
|---|---|---|
| ①預けた円(TTS×10,000ドル) | 158.42円→1,584,200円 | 159.17円→1,591,700円 |
| ②満期の外貨(元本+税引後利息 10,000×5.577%×30÷360≒46.5ドル) | 約10,046.5ドル | 約10,046.5ドル |
| ③円に戻すレート(TTB) | 157.92円 | 157.17円 |
| ④受け取る円(②×③) | 約1,586,540円 | 約1,579,000円 |
| ⑤損益(④−①) | 約+2,340円 | 約−12,700円 |
損益分岐レート
- ネット:1,584,200円÷10,046.5ドル=約157.69円。TTB=TTM−0.25円なので、TTMに直すと約157.94円。約0.23円の円高で利益がなくなります。
- 窓口(一般):1,591,700円÷10,046.5ドル=約158.43円。TTB=TTM−1円なので、TTMに直すと約159.43円。約1.26円の円安にならないとプラスになりません。
外貨預金を使うべき?判断の手順
- 外貨を使う予定(留学・旅行・移住)がある? Yesなら円に戻す手数料はかかりません(外貨現金の引き出しや送金の手数料は別途確認)。Noなら往復の手数料と円高のリスクがかかります
- ネットで取引できる? Noの場合、三菱UFJ銀行の米ドルでは窓口の手数料がネットの4倍です(優遇なしの場合)
- 1つの銀行に多額を預ける? 外貨預金は金額にかかわらず預金保険の対象外です
- 給与以外の所得が年20万円を超えそう? 給与を1か所から受けて全額源泉徴収される人なら、為替差益などを含む給与・退職所得以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁No.1900)
- 長期の資産形成が目的? 新NISAなど、ほかの方法とも比べましょう
外貨預金・外貨建MMF・FX・円預金の違い
| 比べる点 | 外貨預金 | 外貨建MMF | FX(国税庁No.1521の対象取引) | 円預金 |
|---|---|---|---|---|
| 種類 | 預金 | 投資信託 | 証拠金取引 | 預金 |
| 預金保険 | 対象外(一部カットの可能性) | 預金ではない(保全の仕組みは各社の説明で確認) | 預金ではない(同左) | 対象(元本1,000万円までと利息など) |
| 為替差益の税金 | 実務上は雑所得(損失は他の所得と通算不可) | 解約時の為替差益は20.315%の申告分離課税(松井証券の米ドルMMFの例) | 所得税15%(ほかに地方税5%、復興特別所得税)の申告分離課税 | 為替の影響なし |
| 元本割れ | あり | あり | あり(レバレッジをかけると損益が大きくなる) | 為替による元本割れなし |
出典:外貨預金は国税庁No.2250と税務大学校論叢114号、外貨建MMFは松井証券「米ドルMMFの税金について」(2025年6月3日公開)、FXは国税庁 No.1521(令和8年4月1日現在法令等)、預金保険は預金保険機構。
まとめ:表示金利ではなく「手取り」で判断しよう
注意
外貨預金には元本割れのリスクがあります。税金の扱いに迷ったら、税務署や税理士に確認してください。




