新NISAとは|口座2821万件でも2割が未使用の理由と最初の30日
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新NISAとは|口座2821万件でも2割が未使用の理由と最初の30日

新NISAとは、2024年1月に始まった「投資で得た利益に税金がかからない」制度です。通常なら配当金・分配金・売却益に20.315%(復興特別所得税込み)がかかりますが、NISA口座内ならこれがゼロになります(国税庁 タックスアンサー No.1535)。年間で最大360万円、生涯で最大1,800万円まで投資でき、非課税で持てる期間に期限はありません。

ただし、この記事の主役は制度の暗記ではありません。金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)」(2026年7月3日公表)によると、NISA口座は2,821万口座まで増えました。一方で大和アセットマネジメント「投資信託白書2026」は、開設したのに一度も投資していない未稼働口座が約20%あると整理しています。

つまり、5人に1人は「作っただけ」で止まっているのが実態です。本記事は、制度の基本を最短で押さえたうえで、開設後30日で実際に詰まる手続き(配当金の受取方式・枠の復活タイミング・金融機関変更の期限)と、2027年に始まる0〜17歳向けの新しい枠までを一本で解説します。

ポイント

新NISAの要点は3つです。①利益にかかる20.315%が非課税、②年360万円・生涯1,800万円(簿価ベース)、③非課税期間は無期限。ここまでが「制度」、そこから先の「手続き」でつまずく人が多いのが現状です。

新NISAとは何か?わかりやすく3行で

新NISAとは、年間最大360万円・生涯最大1,800万円までの投資で得た利益が非課税になる制度です。2024年1月に開始し、非課税期間は無期限とされています。

国税庁のタックスアンサー No.1535では、NISA制度は「一定の投資額までの配当等・譲渡益が非課税となる制度」と説明されています。課税口座(特定口座・一般口座)では利益に20.315%がかかるため、同じ運用成果でも手元に残る金額が変わります。

20.315%が非課税とは具体的にどういうことか

利益100万円で比べると、課税口座は約20万3千円が引かれ、NISAは引かれません。

項目課税口座NISA口座
売却益100万円100万円
税金(20.315%)約20万3,150円0円
手元に残る額約79万6,850円100万円

この差は投資額と運用期間が大きいほど広がるとされています。ただし非課税になるのは「利益が出た場合」だけであり、値下がりして損失が出た場合には、後述するとおり課税口座より不利になる面もあります。

誰が使えるのか

口座開設年の1月1日時点で18歳以上の居住者が対象です(国税庁 No.1535)。

NISA口座は、1人1口座しか持てません。複数の金融機関に同時開設することはできず、変更したい場合は後述する期限内の手続きが必要です。

補足

「NISA」は少額投資非課税制度の愛称です。2023年までの一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAは新規買付が終了しており、現在の制度が実務上の「新NISA」にあたります。旧制度で買った商品は、それぞれの非課税期間が終わるまでそのまま非課税で保有できるとされています。

新NISAの仕組みをもう少し詳しく:枠は「簿価」で管理される

新NISAの仕組みをもう少し詳しく:枠は「簿価」で管理される

新NISAの非課税保有限度額1,800万円は、時価ではなく簿価(取得価額)で管理されます。つまり値上がり益は枠を消費しません。

ここは制度理解の核心でありながら、誤解が多い部分です。100万円で買った投資信託が200万円に値上がりしても、使った枠は100万円のままです。残り1,700万円分は引き続き投資できます。

年間投資枠と非課税保有限度額は別物

年間投資枠は「1年間に投資できる上限」、非課税保有限度額は「生涯で保有できる上限」です。

  • 年間投資枠:つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=最大360万円
  • 非課税保有限度額(生涯投資枠):合計1,800万円。うち成長投資枠は1,200万円が内数
  • 出典:国税庁 タックスアンサー No.1535

「うち1,200万円が内数」とは、成長投資枠だけで1,800万円を埋めることはできないという意味です。1,800万円をすべて使い切るには、最低でも600万円分をつみたて投資枠で投資する必要があります。逆に、つみたて投資枠だけで1,800万円すべてを埋めることは可能とされています。

使い切るまでの最短は5年

年360万円が上限なので、1,800万円 ÷ 360万円 = 5年が最短です。

年間投資枠は翌年に繰り越せません。使わなかった分は消滅するとされています。

注意

非課税保有限度額の1,800万円は、あくまで上限であって目標額ではありません。生活防衛資金を確保しないまま枠を埋めることを優先すると、値下がり局面で生活費のために売却せざるを得なくなる可能性があります。投資は元本が保証されるものではなく、価格変動により投資額を下回ることがあります。

新NISAはなぜ重要なのか:2,821万口座の裏で約2割が未稼働

NISA口座は2,821万口座・累計買付額71兆円に達しましたが、開設したのに投資していない口座が約20%あるとされています。「作ること」より「使うこと」が課題になっている段階です。

政府目標は買付額だけ前倒し達成

金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)」(2026年7月3日公表)によると、状況は以下のとおりです。

時点口座数累計買付額
2023年12月末(旧NISA)2,125万口座35兆円
2024年12月末2,559万口座53兆円
2025年12月末2,821万口座71兆円
政府目標(2027年12月末)3,400万口座56兆円

買付額71兆円は目標の56兆円を約2年前倒しで達成しています。一方、口座数の増加は2025年が262万口座で、2024年の約433万口座増から鈍化しました。金額は伸びているが、新規参入者の増加は鈍っているという構図です。

未稼働口座の最多理由は「薦められて開設しただけ」

大和アセットマネジメント「投資信託白書2026」第3章(原データ:金融庁、日本証券業協会、NTTデータ・エービック)によると、実態は次のとおりです。

  • 各年の買付額ゼロ円口座比率:38.0%(2024年末時点)
  • 未稼働(開設したが投資したことがない)口座比率:日本証券業協会ベースで21.4%(2024年)、NTTデータ・エービック調査で18.1%(2025年)
  • 総合すると未稼働口座比率は約20%

未稼働の理由で最も多かったのは「もともとNISA口座で買い付けをするつもりはなく、金融機関に薦められて開設した」で28.7%(日本証券業協会 2022年調査、同白書経由)でした。

まとめ

新NISAの制度説明はどこでも読めますが、開設後に何をするかで結果が分かれる段階に入っています。次章以降で、枠の種類と、開設後30日でやるべき具体的な手続きを整理します。

新NISAの種類・分類は?成長投資枠とつみたて投資枠の違い

新NISAには、つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)の2つがあり、併用できます。さらに2027年から0〜17歳向けの枠が新設される予定です。

新NISA 3つの枠 早見表(2027年のこども枠を含む)

項目①つみたて投資枠(18歳以上)②成長投資枠(18歳以上)③こどもつみたて投資枠(0〜17歳・令和9年=2027年〜)
対象年齢18歳以上(国税庁 No.1535)18歳以上(国税庁 No.1535)0〜17歳(金融庁 令和8年度税制改正)
年間投資枠120万円(国税庁)240万円(国税庁)60万円(金融庁)
非課税保有限度額①②合計1,800万円(金融庁・国税庁)同左のうち1,200万円が内数(国税庁)600万円 ※18歳で1,800万円枠へ自動移行(金融庁)
対象商品数361本(金融庁 2026年8月10日時点)約2,668件(資産運用業協会の一覧公表分、2026年8月時点)長期の積立・分散に適した一定の投資信託(金融庁)
除外基準金融庁の基準に適合した投信・ETFのみ信託期間20年未満・高レバレッジ型・毎月分配型・整理/監理銘柄を除外(資産運用業協会)つみたて投資枠に準拠(金融庁)
信託報酬の平均(指定インデックス投信)国内0.27%・内外/海外0.34%(法令上限0.5%/0.75%、金融庁)規制なし(商品により大きく異なる)つみたて投資枠に準拠
払出制限なしなし12歳以降・子の同意+親権者等の申出書で可(金融庁)
開始時期2024年1月2024年1月令和9年(2027年)※大綱決定済み・施行前

③は2025年12月26日に閣議決定した令和8年度税制改正大綱の内容で、まだ施行前です。今後の法案審議で内容が変わる可能性があります。

新NISAの成長投資枠とは何か

成長投資枠とは、年240万円まで個別株やETF、幅広い投資信託に投資できる枠です。生涯では1,200万円が上限です。

つみたて投資枠が積立での買付に限定されるのに対し、成長投資枠は一括購入もできます。個別株や、つみたて投資枠の基準に合わない投資信託(例:海外の高配当株ファンドなど)も選べます。

ただし無制限ではありません。資産運用業協会「NISA成長投資枠の対象商品」によると、投資信託では信託期間20年未満・高レバレッジ型・毎月分配型が除外され、上場株式では整理銘柄・監理銘柄が除外されます。長期の資産形成に適さない商品を外す設計とされています。

なぜつみたて投資枠が初心者向けとされるのか

商品数が7分の1に絞られ、コストにも上限規制があるためです。

金融庁の届出一覧(最終更新2026年8月10日)によると、つみたて投資枠の対象商品は361本(株式型197本・資産複合型155本・ETF9本)です。一方、成長投資枠の対象は約2,668件あります。選択肢が7倍以上違うため、初心者が迷いにくいのはつみたて投資枠です。

さらに金融庁の集計では、指定インデックス投信の信託報酬率の平均は投資先が国内で0.27%(法令上限0.5%)、内外・海外で0.34%(同0.75%)です。上限より実際の平均が大幅に低く、低コスト競争が働いていることがうかがえます。

ポイント

「金融庁が厳選している」という説明は、具体的には361本まで絞り込み、信託報酬に法令上限をかけているということです。商品選びに時間をかけられない人ほど、つみたて投資枠から始める合理性があるとされています。

2027年に始まる0〜17歳の枠

金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025年12月)によると、つみたて投資枠の年齢要件が撤廃され、0〜17歳に年60万円・非課税保有限度額600万円の枠が令和9年(2027年)から新設される方針です。

  • 12歳以降は、子の同意を示す書面と親権者等の申出書の提出により払出しが可能
  • 18歳到達時に、成人のつみたて投資枠(1,800万円枠)へ手続き不要で自動移行

2023年で新規買付が終わったジュニアNISAの後継にあたる位置づけですが、18歳で自動移行する点が実務上の大きな違いです。

あわせて、以下の見直しも大綱に盛り込まれています。

  1. つみたて投資枠の指定株式指数に、読売株価指数とJPXプライム150指数を追加
  2. 対象公募株式投信の要件を「主に株式に投資するもの」から「主に株式又は公社債に投資するもの」に緩和(債券中心・バランス型の解禁)
  3. 定期売却サービスに限り、通常必要と認められる手数料の徴収を容認
  4. 口座開設10年経過時等の所在地確認措置を廃止
補足

2の緩和により、これまでつみたて投資枠で選べなかった債券中心の投信が対象になる見込みです。値動きを抑えた運用をしたい人は、施行を待ってから商品を見直すという選択肢もあります(施行前のため、時期・内容は今後変わる可能性があります)。

新NISAのメリットを詳しく

新NISAの最大のメリットは20.315%の非課税ですが、実務上は「無期限化」と「枠の再利用」が効いてきます。売却しても翌年に簿価分の枠が戻ります。

1. 非課税期間が無期限

出口の期限がないため、値下がり局面で売却を迫られません。

旧制度では非課税期間に期限(一般NISA5年・つみたてNISA20年)があり、期限時に含み損だと不利な扱いになる問題が指摘されていました。新NISAではこの論点が消えたとされています。

2. 売却すると枠が復活する

売却した商品の簿価分が、翌年に非課税保有限度額へ戻ります。

住宅購入や教育費などで一度引き出しても、生涯投資枠を失いません。ライフイベントと投資を両立しやすい設計です。ただし復活のタイミングと金額には条件があり、次章で詳しく扱います。

3. つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能

旧制度では一般NISAとつみたてNISAの選択制でしたが、新制度では併用できます。

「コア(つみたて投資枠でインデックス投信)+サテライト(成長投資枠で個別株や特定テーマ)」という組み合わせが取りやすくなりました。

4. 口座開設期間が恒久化

「いつまでに始めなければならない」という期限がありません。

ポイント

焦って始める必要はない制度になっています。生活防衛資金(一般的に生活費の3〜6か月分とされます)を確保してから始めても、制度上の不利はありません。

新NISAのデメリット・注意点

新NISAの最大の弱点は、損失が出たときに税制上まったく救済されない点です。損益通算も繰越控除もできません。

損益通算・繰越控除ができない

国税庁 タックスアンサー No.1535では、NISA口座で生じた損失は「ないものとみなされる」とされています。

これは具体的に次の意味を持ちます。

  • 特定口座で+50万円、NISA口座で−50万円だった場合、課税口座の50万円に対して満額課税される(相殺できない)
  • 損失を翌年以降3年間繰り越す繰越控除も使えない

課税口座なら損益通算で税負担を減らせる場面でも、NISAではその手段がありません。非課税は利益が出たときだけの恩恵という理解が必要です。

配当金の受取方式を変えないと課税される

NISA口座で国内上場株式を持っていても、配当金の受取方式が「株式数比例配分方式」でなければ20.315%が課税されます。

日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」によると、以下の点に注意が必要です。

  1. 非課税になるのは「株式数比例配分方式」を選択している場合のみ。「配当金領収証方式」「登録配当金受領口座方式」等では課税される
  2. 同方式を登録すると、NISA口座だけでなく特定口座・一般口座の配当金等にも一律で適用される
  3. 国内上場の外国株式の配当金等は、同方式の適用外
注意

設定は配当基準日までに完了している必要があり、手続きに1週間程度かかる場合があるとされています。成長投資枠で高配当株を検討している人は、買う前に受取方式を確認してください。投資信託の分配金はこの方式の設定が不要で、NISA口座内であれば非課税で受け取れます。

年間投資枠の繰り越しと元本リスク

使わなかった年間投資枠は翌年に繰り越せず、消滅します。

また、当然ながらNISAは投資であり、価格変動により投資額を下回る可能性があります。制度が保証するのは「利益が出たときに課税されないこと」だけです。

注意

「NISAだから安全」という理解は誤りです。制度は非課税を提供するもので、値下がりを防ぐ機能はありません

具体例・ケースで理解する:1,800万円は何年で埋まるか

1,800万円を埋めるまでの年数は「1,800万円 ÷ 年間拠出額」で計算できます。月5万円なら30年、月10万円なら15年、最短(年360万円)で5年です。

(A) 到達年数の逆算表

月額の積立年間拠出額1,800万円到達までの年数25歳で始めた場合の到達年齢
3.3万円約40万円約45年約70歳
5万円60万円30年55歳
10万円120万円15年40歳
15万円180万円10年35歳
30万円360万円5年(最短)30歳

※拠出額のみの単純計算で、運用による増減は含みません。年360万円はつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円の合計です。

多くの20〜40代にとって、1,800万円は数十年かけて埋める枠です。急いで埋めるべき目標額ではなく、上限として捉えるのが現実的とされています。

(B) 枠の復活シミュレーション

簿価100万円で買った投資信託が150万円に値上がりし、全額売却したケースで考えます。

時点使用済みの非課税保有限度額その年に使える年間投資枠
購入時(1年目)100万円つみたて120万/成長240万から購入分を消費
売却直後(同じ年)100万円のまま(復活しない)消費した分は戻らない
翌年1月1日0円に戻る(簿価100万円分が復活)新たに最大360万円

ここでのポイントは3つです。

  1. 復活するのは売却額150万円ではなく、簿価(取得価額)100万円分
  2. 復活は売却した年ではなく翌年
  3. 年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)は復活しない

つまり「同じ年に売って買い直して枠を回転させる」ことはできない設計です。

補足

非課税保有限度額は簿価残高で管理されるため、値上がり益は枠を消費しません。100万円で買ったものが300万円になっても、使用枠は100万円のままです。この点は、長期保有ほど有利に働くとされています。

新NISAの始め方:口座開設後30日でやる7項目

新NISAの始め方は「口座開設→初期設定→積立設定」の3段階です。未稼働口座が約20%ある現状を踏まえ、開設後にやるべき初期設定を7項目に整理します。

口座開設までの手順

  1. 金融機関を選ぶ(取扱商品数・積立の最低金額・ポイント付与などを比較)
  2. 証券総合口座とNISA口座を同時に申し込む
  3. マイナンバー確認書類・本人確認書類を提出する
  4. 税務署の二重口座チェックを経て開設完了(一般的に数日〜2週間程度とされます)

ここまでは各社の案内どおりに進めれば完了します。問題はこの後です。

初期設定チェックリスト7項目

未稼働の最多理由が「金融機関に薦められて開設しただけ」28.7%(日本証券業協会 2022年調査/大和アセットマネジメント「投資信託白書2026」経由)である以上、開設で満足しないことが最初の分岐点になります。

#やること期限放置した場合の実害
1配当金受取方式を「株式数比例配分方式」に変更配当基準日まで(手続きに1週間程度かかる場合あり)NISA口座なのに配当金へ20.315%課税
2投信の分配金は方式設定が不要と理解する不要な手続きに時間を使う
3積立設定日・金額を登録する年内(枠は翌年に繰り越せない)その年の枠が消滅する
4成長投資枠240万円の使途を決める年内つみたてのみで年120万円しか使えない
5金融機関変更の可否を確認する前年10/1〜当年9/30当年に1円でも買付があるとその年分は変更不可
6売却時の枠復活ルールを理解する同年内に買い直せると誤解し、資金計画が崩れる
7課税口座との役割分担を決める損益通算できない損失を抱え、不利な売却をする

1について、設定はNISA口座だけでなく特定口座・一般口座にも一律適用され、国内上場の外国株式は対象外です(日本証券業協会)。

5について、マネックス証券の解説によると、NISA口座の金融機関変更の受付期間は変更を希望する年の前年10月1日から当年9月30日までです。変更したい年の1月1日以降にその口座で買付があった場合、その年分は変更できず翌年扱いになります。「年初に積立が動いてから変更を思い立つ」と1年待つことになるため、変更を検討している人は年初の買付前に判断する必要があります。

ポイント

この7項目のうち、1と5は期限があるため後戻りできません。開設したら最初の30日でこの2つだけでも確認しておくと、想定外の課税や1年の待機を避けやすくなります。

新NISAと似た用語との違い

新NISAと混同されやすいのは、iDeCo、旧NISA、ジュニアNISAです。最大の違いは「引き出せるか」と「所得控除があるか」です。

項目新NISAiDeCo(個人型確定拠出年金)
運用益への課税非課税非課税
掛金の所得控除なしあり(全額が小規模企業共済等掛金控除の対象)
引き出しいつでも可能原則60歳まで不可
対象年齢18歳以上(2027年から0〜17歳の枠も新設予定)原則20歳以上(加入区分により異なる)
口座管理手数料一般的に無料加入時・運用中に手数料がかかる

iDeCoは掛金が所得控除の対象になる点で節税効果が大きいとされる一方、原則60歳まで引き出せません。教育費や住宅資金など途中で使う可能性がある資金は新NISA、老後資金はiDeCoという住み分けが一般的とされています(制度の詳細や手数料は金融機関により異なります)。

旧NISA・ジュニアNISAとの関係

旧NISA(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)は2023年で新規買付が終了しています。

  • 旧NISAで保有中の商品は、それぞれの非課税期間が終わるまで非課税で保有できるとされています
  • 旧NISAの残高は、新NISAの1,800万円の枠とは別枠で管理されます
  • ジュニアNISAの後継にあたる0〜17歳の枠は、2027年開始予定(令和8年度税制改正大綱)
まとめ

新NISAは「いつでも引き出せる非課税の器」、iDeCoは「引き出せない代わりに所得控除がある器」です。どちらか一方ではなく、資金の用途で使い分ける考え方が現実的とされています。

まとめ:制度を覚えるより、開設後30日を設計する

新NISAとは、年360万円・生涯1,800万円まで投資でき、利益にかかる20.315%が非課税になる制度です。重要なのは制度の暗記ではなく、開設後の手続きです。

  • 非課税保有限度額1,800万円は簿価管理。値上がり益は枠を消費しない
  • 売却時の枠復活は翌年・簿価ベース。年間投資枠は復活しない
  • 国内上場株式の配当金は「株式数比例配分方式」でなければ課税される
  • 金融機関変更は前年10/1〜当年9/30。その年に買付があると翌年扱い
  • 2027年から0〜17歳に年60万円・生涯600万円の枠が新設予定(施行前)

金融庁のデータでは口座数が2,821万に達した一方、約20%が未稼働のままです。口座を開くことがゴールではありません。まずは少額でも積立設定を完了させ、配当金の受取方式を確認するところから始めてみてください。

注意

本記事は制度の一般的な解説であり、特定の商品や投資手法を推奨するものではありません。投資は価格変動により元本を下回る可能性があります。税制上の取扱いや令和8年度税制改正の内容は今後変更される可能性があるため、実際の判断にあたっては金融庁・国税庁の最新の公表資料を確認し、必要に応じて金融機関の担当者や税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。

よくある質問

新NISAの成長投資枠とは何ですか?

成長投資枠とは、年240万円・生涯1,200万円まで、個別株やETF、幅広い投資信託に投資できる枠です。つみたて投資枠と違って一括購入もできます。

ただし資産運用業協会によると、信託期間20年未満・高レバレッジ型・毎月分配型の投資信託、整理銘柄・監理銘柄は対象外です。対象は約2,668件あり、つみたて投資枠の361本より大幅に多いため、商品選びの負担は大きくなります。

新NISAの非課税保有限度額とは何ですか?

非課税保有限度額とは、生涯で非課税のまま保有できる投資額の上限で、合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円が内数)です(国税庁 タックスアンサー No.1535)。

重要なのは簿価(取得価額)で管理される点です。100万円で買ったものが200万円になっても消費枠は100万円のまま。また商品を売却すると、その簿価分が翌年に復活して再利用できます。

新NISAの生涯投資枠とは何ですか?年間投資枠と何が違いますか?

生涯投資枠は非課税保有限度額の通称で1,800万円、年間投資枠は1年間の上限で最大360万円です。別々に管理されます。

違いが出るのが売却時です。売却すると生涯投資枠は翌年に簿価分が復活しますが、年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)は復活しません。また使わなかった年間投資枠を翌年へ繰り越すこともできません。

新NISAは1,800万円を使い切らないと損ですか?

損ということはありません。1,800万円は上限であり、目標額ではありません。

月5万円の積立なら到達に30年かかる計算です。金融庁のデータでも口座の約20%が未稼働とされる中、まずは無理のない金額で継続することのほうが現実的とされています。生活防衛資金を確保せずに枠の消化を優先すると、値下がり時に売却を迫られる可能性があります。

子ども名義のNISAはいつから使えますか?

金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025年12月)によると、0〜17歳向けの枠は令和9年(2027年)から適用される方針です。

年間投資枠60万円・非課税保有限度額600万円で、12歳以降は子の同意を示す書面と親権者等の申出書により払出しが可能、18歳到達時に成人のつみたて投資枠へ手続き不要で自動移行するとされています。ただし現時点では大綱決定済み・施行前のため、今後の法案審議で内容が変わる可能性があります。

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最終確認日:2026年8月13日(金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)」、金融庁「つみたて投資枠対象商品」届出一覧(2026年8月10日時点)、国税庁 タックスアンサー No.1535、日本証券業協会、大和アセットマネジメント「投資信託白書2026」に基づく)

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