扶養内パートの働き方|2026年の注意点は年収より契約書8項目
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扶養内パートの働き方|2026年の注意点は年収より契約書8項目

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まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
  • 労働条件通知書のどこを見れば130万円判定ができるか(記入式の8項目チェックリスト)
  • 週20時間・企業規模・配偶者手当という3つの分かれ道の見分け方(4問診断)
  • 扶養内と社会保険加入で手取りが逆転する目安ライン(概算シミュレーション)
  • 掛け持ち・年の途中入社・交通費など、判定が迷いやすい4ケースの考え方
  • 勤務先と配偶者の会社にそのまま送れる確認テンプレート

結論:扶養内パートでまず何をすべきか

  1. 労働条件通知書を確認する:時給・週所定労働時間・月所定労働日数・通勤手当・賞与・諸手当をメモする。年間収入見込みを自分で計算する。
  2. 勤務先に「週の所定労働時間」を確認する:2026年10月以降、社会保険加入は週20時間以上が実質的な基準になる見込みのため、契約上何時間かを正確に把握する。
  3. 配偶者の勤務先の家族手当・配偶者手当の基準を確認する:法改正で自動更新されないため、税の壁が136万円に上がっても手当の基準は103万円のままという企業が残っています。
注意

「年収103万円まで」という古い基準のまま調整している方は、2026年時点では基準がずれている可能性があります。税制上の扶養控除・配偶者控除の判定ラインは令和8・9年分で給与収入136万円以下とされています(令和8年度税制改正大綱)。ただし後述のとおり、この136万円という数字は期間限定の特例加算を含んだ金額です。

2026年に何が変わったのか?壁の「判定材料」ビフォー/アフター

2026年に何が変わったのか?壁の「判定材料」ビフォー/アフター

壁の判定材料 ビフォー/アフター対照表

壁の種類(a)2025年までの判定材料(b)2026年以降の判定材料(c)判定される時期(d)判定するのは誰か(e)確認すべき書類(f)交通費を含むか
①社会保険加入(106万円)月額賃金88,000円以上+週20時間以上+企業規模51人超週20時間以上+企業規模要件(賃金要件は2026年10月に撤廃見込み)契約時・契約変更時勤務先労働条件通知書含まない(通勤手当は月額賃金の算定から除外)
②被扶養者認定(130万円)過去の給与明細等による今後1年間の収入見込み労働契約書類に記載された賃金からの年間収入見込み契約時・契約更新時健保組合・協会けんぽ労働条件通知書/事業主証明含む(労基法11条の賃金として算入)
③配偶者控除・扶養控除給与収入123万円以下(令和7年分)給与収入136万円以下(令和8・9年分)年末調整・確定申告税務署源泉徴収票含まない(非課税限度内の通勤手当)
④所得税の非課税ライン給与収入160万円(令和7年分)給与収入178万円(令和8・9年分)年末調整・確定申告税務署源泉徴収票含まない
⑤住民税の所得割給与収入100万円以下(扶養親族なし)給与収入110万円以下(令和8年度分)翌年6月の課税決定自治体源泉徴収票含まない
⑥勤務先の配偶者手当各社の規程(103万円/130万円が多数)法改正では自動更新されない各社の規程による配偶者の勤務先就業規則・賃金規程各社の規程による
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出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(2025)、日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」(2026)、厚生労働省「『年収の壁』への対応」(2026)、江戸川区「2026年(令和8年)度分住民税から適用されるもの」(2026)より作成。

補足

2026年4月以降は、契約書に記載された通勤手当が算入対象になるため、この食い違いは「年末に発覚するもの」から「契約時に確認できるもの」へ変わりました。マイナス面ばかりではなく、事前に計算できるようになったという意味では改善です。

なぜ判定材料が変わったのか

労働条件通知書のどこを見ればいい?130万円判定チェックリスト

労働条件通知書 130万円判定チェックリスト(2026年4月以降版)

#確認項目算入記入欄
時給(円)
週の所定労働時間時間
月の所定労働日数
契約期間と更新の有無判定期間に影響年 月〜  年 月/更新(有・無)
通勤手当の額と支給方法月   円/日額   円
賞与の有無・支給月・算定式年   円
役職手当等の諸手当月   円
時間外労働の定めの有無定めがなければ ×有・無
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年間収入見込み = 時給 × 週所定労働時間 × 52週 +(通勤手当 + 諸手当)× 12 + 賞与年額

  • 原則:130万円未満
  • 19歳以上23歳未満:150万円未満
  • 60歳以上または障害者:180万円未満

計算例:一見130万円未満に見えるケース

  • 基本:1,200円 × 20時間 × 52週 = 1,248,000円
  • 通勤手当:8,000円 × 12か月 = 96,000円
  • 合計:1,344,000円130万円を超えます
注意

上記は仕組みを理解するための単純計算例です。実際の年間収入見込みの算定方法は健康保険の保険者(協会けんぽ・各健康保険組合)によって取り扱いが異なる場合があるとされています。契約前に勤務先または保険者へ確認することをおすすめします。

判定が迷いやすい4つのケース:掛け持ち・年の途中入社・交通費・残業

ケース1:掛け持ち(ダブルワーク)をしている

制度複数勤務先の扱い
社会保険の加入要件(週20時間・企業規模)事業所ごとに判定されるのが原則とされ、労働時間は合算しない扱いが一般的
健康保険の被扶養者認定(130万円)すべての勤務先の収入を合算して年間収入見込みを判定
所得税・住民税(136万円など)すべての給与を合算。年末調整は主たる1社のみのため、確定申告が必要になる場合がある
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ケース2:年の途中から働き始めた/勤務時間を増やした

ケース3:交通費が実費精算・日額支給になっている

ケース4:契約にない残業が発生している

注意

上記4ケースの取り扱いは、加入する健康保険の保険者(協会けんぽ・各健康保険組合)によって判断が分かれることがあります。該当する場合は、配偶者の勤務先を通じて保険者へ事前に確認することをおすすめします。

パートの働き方を扶養内に保つ具体的な方法

週20時間ラインで考える

  1. 契約上の週所定労働時間を19.5時間などに設定する:契約書の記載が判定材料になるため、実績ではなく契約内容を勤務先と相談します。
  2. 月の所定労働日数から逆算する:週20時間は月あたり約86時間が目安です。1日5時間なら月17日前後になります。
  3. 繁忙期の残業を契約に書き込まない:契約に定めのない時間外労働の賃金は年間収入見込みに算入しないとされています。

企業規模要件のスケジュールを踏まえる

時期対象となる企業規模
現行従業員51人超
2027年10月36人以上
2029年10月21人以上
2032年10月11人以上
2035年10月規模要件が完全撤廃
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保険料調整制度を勤務先に確認する

扶養内と社会保険加入、手取りはどこで逆転するか

契約年収別・手取りイメージ(概算)

契約年収加入する制度本人負担の社会保険料(概算)手取りイメージ(概算)
129万円配偶者の扶養(パターンB)0円約127万円
130万円国民健康保険・国民年金(パターンC年約30万円約99万円
130万円勤務先の社会保険(パターンA)年約19.5万円約110万円
150万円勤務先の社会保険年約22.5万円約126万円
152万円勤務先の社会保険年約23万円約128万円
180万円勤務先の社会保険年約27万円約149万円
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注意

上記はあくまで仕組みの傾向をつかむための概算です。保険料率は都道府県・健康保険組合・自治体で異なり、40歳以上の介護保険料、扶養親族の有無、配偶者の年収によっても結果は変わります。実額の試算は勤務先の担当者や社会保険労務士・税理士などの専門家にご確認ください。

この表から読み取れること

  • 最も避けたいのは130万円前後でパターンCに落ちることです。129万円と比べて手取りが年約28万円減る計算になります。
  • 勤務先の社会保険に加入できるなら、同じ130万円でも目減りは年約17万円にとどまります。同じ「扶養を外れる」でも、勤務先の社保に入れるかどうかで結果が大きく違います。
  • 130万〜150万円台前半の帯は、働く時間を増やしても手取りが扶養内を下回りやすい区間です。時間を増やすなら150万円台後半以上まで一気に上げるか、129万円以下に抑えるかの二択が現実的とされています。
  • ただしこれは短期の手取りだけを見た比較です。厚生年金への加入は将来の年金額の上乗せにつながり、傷病手当金・出産手当金の対象にもなるとされています。数年単位の判断では、この表の数字だけで決めないことをおすすめします。

ケース別:扶養内パートで得する働き方はどれか

2026年10月以降・自分はどの壁に当たるか 4問診断

  • はい → Q2へ
  • いいえ → Q3へ
  • はい → パターンA
  • いいえ → Q3へ
  • はい → Q4へ
  • いいえ → パターンC
  • はい(103万円基準) → パターンE
  • いいえ(130万円基準または手当なし) → パターンB/D

到達パターンと次のアクション

見落とされがちな「第3の壁」=配偶者手当

注意

配偶者手当の基準は各社の就業規則・賃金規程で定められており、公的な一覧はありません。配偶者本人が自社の規程を確認するしかない点にご注意ください。人事・総務部門への問い合わせが確実です。

勤務先・配偶者の会社への確認テンプレート

勤務先(自分のパート先)へ

お世話になっております。配偶者の健康保険の被扶養者認定の手続きのため、次の3点を確認させてください。

① 契約上の週の所定労働時間は何時間になっていますか。

② 通勤手当・賞与・諸手当を含めた年間の賃金見込み額をご教示いただけますか。

③ 労働条件通知書(雇用契約書)の写しをいただけますか。

あわせて、2026年10月から始まる保険料調整制度について、御社で導入のご予定があるかも教えていただけると助かります。

配偶者の勤務先へ(配偶者本人から)

家族手当・配偶者手当について確認させてください。

① 配偶者の収入基準は現在いくらに設定されていますか。

② 2025年・2026年の税制改正に合わせて、基準を改定する予定はありますか。

③ 被扶養者認定の更新時に、配偶者の労働条件通知書の提出は必要ですか。

判断に迷うときの公的な相談窓口

  • 電話:0120-030-045(平日8:30〜18:15)

働き方改革とパートの扶養内勤務:予防・再発防止のコツ

年3回の確認タイミングを決める

タイミング確認すること見る書類
契約時・契約更新時週所定労働時間、通勤手当、賞与、諸手当労働条件通知書
シフト変更を打診されたとき変更後の週所定労働時間が20時間を超えないかシフト表・契約変更の書面
毎年1月(源泉徴収票の受領時)税の壁(136万円/178万円)に対する実績源泉徴収票
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事業主証明の回数制限に注意する

社会保険料以外の負担増も見込む

補足

労働時間を延ばす方向へ舵を切る場合、勤務先が使える支援策もあります。キャリアアップ助成金の「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、労働者1人につき最大75万円が事業主に助成されるとされています(厚生労働省 2026年)。勤務先に相談する際の材料になります。

専門家・公的情報の見解と、2028年以降の不確実性

数字の内訳を分解する

  • 基礎控除:本則58万円 → 62万円(令和8年度改正)+特例加算 = 最大104万円
  • 給与所得控除の最低保障額:65万円 → 本則69万円 + 特例加算5万円 = 最大74万円
  • 合計 = 178万円(所得税がかからない給与収入の上限)

国税庁は令和7年度税制改正について、同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額要件を48万円以下から58万円以下(給与収入123万円)へ引き上げたと公表しています(国税庁 2025年)。その後の令和8年度税制改正大綱では、この判定ラインが合計所得62万円以下=給与収入136万円以下へさらに引き上げられました。

2年後を見据えた3つの選択肢

  1. 扶養内を維持し、毎年基準を確認する:最も手間がかかりますが、変化に応じて調整できます。契約更新のたびに書面を確認する運用が前提です。
  2. 週20時間以上へ移行し、社会保険に加入する:壁の変動に左右されなくなります。厚生年金の上乗せ、傷病手当金・出産手当金の対象になるという便益がある一方、保険料負担が発生します。
  3. 時間を増やすタイミングを2027年10月の企業規模要件変更に合わせる:勤務先が36人以上なら、この時点で加入対象になる可能性があります。
注意

どの選択が有利かは、配偶者の年収・世帯構成・勤務先の制度・お住まいの自治体によって変わります。本記事は一般的な整理であり、個別の判断を保証するものではありません。判断に迷う場合は、勤務先の担当者、加入する健康保険組合、税務署、または社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

やってはいけないNG対応

NG1:源泉徴収票の支払金額だけで扶養を判断する

NG2:ネット上の「103万円の壁」情報をそのまま使う

NG3:配偶者の会社の手当基準を確認せずに年収を上げる

NG4:「働き損」を理由にシフトを削り続ける

NG5:口頭のシフト調整だけで済ませる

NG6:掛け持ち先の収入を数え忘れる

よくある質問

Q1. 扶養内パートで得する働き方はどれですか?

Q2. 社会保険に加入すると、年収いくらで手取りが元に戻りますか?

Q3. 通勤手当は年収に含まれますか?

Q4. 掛け持ち(ダブルワーク)の場合、130万円はどう数えますか?

Q5. 年の途中から働き始めた場合はどう判定されますか?

Q6. 働き方改革でパートの扶養内勤務はどう変わりましたか?

Q7. 2026年10月に何が変わりますか?

Q8. 178万円や136万円という数字はずっと使えますか?

まとめ:今日やる3つのアクション

参考:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(2025)/日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」(2026)/厚生労働省「『年収の壁』への対応」(2026)/人事院「令和6年職種別民間給与実態調査の結果」(2024)/厚生労働省労働基準局「民間企業における『配偶者手当』について」(2022)

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