扶養内パートの働き方|2026年の注意点は「年収」より契約書
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扶養内パートの働き方|2026年の注意点は「年収」より契約書

扶養内でパートとして働くうえで、2026年に最も注意すべき点は「年収の壁の金額を覚えること」ではありません。壁を判定する材料そのものが、実際の年収から『労働条件通知書に書かれた賃金』と『週の所定労働時間』へ置き換わったことです。

2026年4月以降、健康保険の被扶養者認定は労働契約書類に記載された賃金から見込む年間収入で判断されるとされています(日本年金機構 2026年)。さらに2026年10月には、社会保険加入の判定から月額88,000円という賃金要件が外れ、週20時間という「時間」が実質的な基準になる見込みです。

つまり、これまでの「年末に源泉徴収票を見て調整する」やり方から、「契約を結ぶ時点で書面を確認する」やり方へ移行しつつあります。この記事では、自分の労働条件通知書のどこを見て、勤務先と配偶者の会社に何を聞けばよいかまで落とし込みます。

ポイント

本記事の数値は2026年8月時点の公表情報に基づく一般的な整理です。実際の判定は加入する健康保険組合や勤務先の規程によって異なる場合があるため、最終的にはご自身の状況に合わせて確認してください。

結論:扶養内パートでまず何をすべきか

最初にやるべきことは、手元の労働条件通知書(雇用契約書)を開き、時給・週の所定労働時間・通勤手当・賞与の4項目を確認することです。2026年4月以降、この書面が130万円判定の主材料になったためです。

優先順位をつけると、次の3ステップになります。

  1. 労働条件通知書を確認する:時給・週所定労働時間・月所定労働日数・通勤手当・賞与・諸手当をメモする。年間収入見込みを自分で計算する。
  2. 勤務先に「週の所定労働時間」を確認する:2026年10月以降、社会保険加入は週20時間以上が実質的な基準になる見込みのため、契約上何時間かを正確に把握する。
  3. 配偶者の勤務先の家族手当・配偶者手当の基準を確認する:法改正で自動更新されないため、税の壁が136万円に上がっても手当の基準は103万円のままという企業が残っています。

年収の壁は1つではなく、「税」「社会保険」「勤務先の手当」という3系統が別々の基準で動いています。判定する人も、見る書類も、判定される時期もすべて違います。この違いを整理せずに「130万円を超えないように」とだけ考えると、思わぬところで扶養を外れます。

注意

「年収103万円まで」という古い基準のまま調整している方は、2026年時点では基準がずれている可能性があります。税制上の扶養控除・配偶者控除の判定ラインは令和8・9年分で給与収入136万円以下とされています(令和8年度税制改正大綱)。ただし後述のとおり、この136万円という数字は期間限定の特例加算を含んだ金額です。

2026年に何が変わったのか?壁の「判定材料」ビフォー/アフター

2026年に何が変わったのか?壁の「判定材料」ビフォー/アフター

結論として、2026年は金額の変更よりも判定材料の変更が本質です。年収という「結果」ではなく、契約書と労働時間という「事前に分かるもの」で判定される方向へ動いています。

壁の判定材料 ビフォー/アフター対照表

壁の種類(a)2025年までの判定材料(b)2026年以降の判定材料(c)判定される時期(d)判定するのは誰か(e)確認すべき書類(f)交通費を含むか
①社会保険加入(106万円)月額賃金88,000円以上+週20時間以上+企業規模51人超週20時間以上+企業規模要件(賃金要件は2026年10月に撤廃見込み)契約時・契約変更時勤務先労働条件通知書含まない(通勤手当は月額賃金の算定から除外)
②被扶養者認定(130万円)過去の給与明細等による今後1年間の収入見込み労働契約書類に記載された賃金からの年間収入見込み契約時・契約更新時健保組合・協会けんぽ労働条件通知書/事業主証明含む(労基法11条の賃金として算入)
③配偶者控除・扶養控除給与収入123万円以下(令和7年分)給与収入136万円以下(令和8・9年分)年末調整確定申告税務署源泉徴収票含まない(非課税限度内の通勤手当)
④所得税の非課税ライン給与収入160万円(令和7年分)給与収入178万円(令和8・9年分)年末調整・確定申告税務署源泉徴収票含まない
⑤住民税の所得割給与収入100万円以下(扶養親族なし)給与収入110万円以下(令和8年度分)翌年6月の課税決定自治体源泉徴収票含まない
⑥勤務先の配偶者手当各社の規程(103万円/130万円が多数)法改正では自動更新されない各社の規程による配偶者の勤務先就業規則・賃金規程各社の規程による

出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(2025)、日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」(2026)、厚生労働省「『年収の壁』への対応」(2026)、江戸川区「2026年(令和8年)度分住民税から適用されるもの」(2026)より作成。

この表で最も見落とされやすいのが(f)の交通費列です。所得税では非課税限度内の通勤手当は年収に含みませんが、健康保険の被扶養者認定では賃金として算入されます。そのため「源泉徴収票の支払金額は128万円なのに、扶養から外れた」という食い違いが起こり得ます。

補足

2026年4月以降は、契約書に記載された通勤手当が算入対象になるため、この食い違いは「年末に発覚するもの」から「契約時に確認できるもの」へ変わりました。マイナス面ばかりではなく、事前に計算できるようになったという意味では改善です。

なぜ判定材料が変わったのか

背景には就業調整(働き控え)の解消という政策目的があるとされています。

厚生労働省が公表している令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査(約29,000事業所・約23,000人が対象)では、配偶者がいる女性パートタイム労働者の21.8%が就業調整をしていました。実際の年収で判定される仕組みだと、繁忙期の残業で年収が超えてしまうリスクを避けるためにシフトを減らす動機が働きます。

契約書ベースの判定では、契約に明確な規定がなく契約段階で見込みがたい時間外労働の賃金は年間収入に算入しないとされています(日本年金機構 2026年)。つまり、突発的な残業で扶養を外れる心配が減る方向の変更です。

労働条件通知書のどこを見ればいい?130万円判定チェックリスト

結論として、確認すべきは時給・週所定労働時間・月所定労働日数・通勤手当・賞与・諸手当・時間外労働の定め・契約期間の8項目です。このうち6項目が年間収入見込みに算入されます。

労働条件通知書 130万円判定チェックリスト(2026年4月以降版)

手元の書面を開いて、実際に記入してみてください。

#確認項目算入記入欄
時給(円)
週の所定労働時間時間
月の所定労働日数
契約期間と更新の有無判定期間に影響年 月〜  年 月/更新(有・無)
通勤手当の額と支給方法月   円/日額   円
賞与の有無・支給月・算定式年   円
役職手当等の諸手当月   円
時間外労働の定めの有無定めがなければ ×有・無

年間収入見込みの計算式

年間収入見込み = 時給 × 週所定労働時間 × 52週 +(通勤手当 + 諸手当)× 12 + 賞与年額

突き合わせる基準額(日本年金機構 2026年)

  • 原則:130万円未満
  • 19歳以上23歳未満:150万円未満
  • 60歳以上または障害者:180万円未満

計算例:一見130万円未満に見えるケース

時給1,200円・週20時間・通勤手当月8,000円・賞与なしの場合で計算します。

  • 基本:1,200円 × 20時間 × 52週 = 1,248,000円
  • 通勤手当:8,000円 × 12か月 = 96,000円
  • 合計:1,344,000円130万円を超えます

給与だけなら124.8万円で余裕があるように見えますが、通勤手当を足すと超えます。源泉徴収票の支払金額には非課税の通勤手当が含まれないため、書面上は124.8万円と表示され、気づきにくい構造です。

注意

上記は仕組みを理解するための単純計算例です。実際の年間収入見込みの算定方法は健康保険の保険者(協会けんぽ・各健康保険組合)によって取り扱いが異なる場合があるとされています。契約前に勤務先または保険者へ確認することをおすすめします。

まとめ

通勤手当が月1万円あると、年12万円が被扶養者認定上の年収に上乗せされます。通勤手当込みで130万円を判定するという一点だけでも、覚えておく価値があります。

パートの働き方を扶養内に保つ具体的な方法

結論として、2026年10月以降の調整は「年収を抑える」から「週の所定労働時間を抑える」へ重心が移るとされています。判定単位が円から時間に置き換わるためです。

週20時間ラインで考える

令和7年年金制度改正法により、短時間労働者の賃金要件(月額88,000円以上、いわゆる106万円の壁)は最低賃金の引上げ状況を見極めて3年以内に廃止されるとされています(厚生労働省 2026年)。撤廃後は、週の所定労働時間20時間以上と企業規模要件が判定の中心になります。

この変更が実務的に何を意味するかというと、最低賃金が上がる局面では「年収で調整する」発想が機能しにくくなるということです。時給が上がれば同じ労働時間でも年収だけが増えるため、毎年シフトを削り続ける必要が出てきます。一方、週20時間という時間基準なら、時給が上がっても基準は動きません。

具体的な調整手段は次のとおりです。

  1. 契約上の週所定労働時間を19.5時間などに設定する:契約書の記載が判定材料になるため、実績ではなく契約内容を勤務先と相談します。
  2. 月の所定労働日数から逆算する:週20時間は月あたり約86時間が目安です。1日5時間なら月17日前後になります。
  3. 繁忙期の残業を契約に書き込まない:契約に定めのない時間外労働の賃金は年間収入見込みに算入しないとされています。

企業規模要件のスケジュールを踏まえる

企業規模要件は段階的に縮小されるとされています(令和7年年金制度改正法/厚生労働省)。

時期対象となる企業規模
現行従業員51人超
2027年10月36人以上
2029年10月21人以上
2032年10月11人以上
2035年10月規模要件が完全撤廃

今は小規模事業所で扶養内を維持できていても、数年後には同じ働き方で社会保険の加入対象になる可能性があります。長期的には「扶養内を維持し続ける」前提そのものが揺らぐ方向です。

ポイント

扶養を外れることは一方的な損ではありません。厚生年金への加入は将来の年金額の上乗せにつながり、傷病手当金・出産手当金といった健康保険の給付も対象になるとされています。保険料負担というコストと、給付という便益の両面で判断することが大切です。

保険料調整制度を勤務先に確認する

2026年10月に始まる予定の保険料調整制度は、上位記事でもあまり触れられていない論点です。

労使合意(対象者の2分の1以上の同意)のもとで、事業主が短時間労働者の保険料本人負担分の一部を肩代わりでき、その追加負担を国が最大3年間支援する仕組みとされています(令和7年年金制度改正法/厚生労働省)。対象は標準報酬月額12.6万円以下(月収13万円未満、年収おおむね156万円未満)の層で、全額の肩代わりは認められていません。

これは同じ年収でも勤務先が導入しているかどうかで手取りが変わる制度です。面接時やシフト相談時に、次のように確認する価値があります。

勤務先へ聞くひと言:「2026年10月から始まる保険料調整制度について、御社では導入を検討されていますか」

ケース別:扶養内パートで得する働き方はどれか

結論として、「扶養内ぎりぎり」と「社会保険に加入してしっかり働く」の中間、つまり扶養を外れて国民健康保険に自分で加入する形が最も手取りが減りやすいとされています。この帯を避けることが実務的な指針になります。

2026年10月以降・自分はどの壁に当たるか 4問診断

上から順に答えてください。

Q1. 契約上の週の所定労働時間は20時間以上ですか?

  • はい → Q2へ
  • いいえ → Q3へ

Q2. 勤務先の従業員数は51人超ですか?(2027年10月からは36人以上)

  • はい → パターンA
  • いいえ → Q3へ

Q3. 契約書ベースの年収見込み(通勤手当・賞与込み)は130万円未満ですか?

  • はい → Q4へ
  • いいえ → パターンC

Q4. 配偶者の会社に配偶者手当があり、その収入基準は103万円ですか?

  • はい(103万円基準) → パターンE
  • いいえ(130万円基準または手当なし) → パターンB/D

到達パターンと次のアクション

パターンA:勤務先の社会保険に加入

壁の議論は事実上終了します。厚生年金・健康保険の被保険者となり、扶養の枠を気にせず働けます。

勤務先へ聞くひと言:「保険料調整制度の対象になりますか。標準報酬月額12.6万円以下が対象と聞いています」

パターンB:配偶者の扶養を継続

2026年4月以降は契約更新のたびに労働条件通知書または事業主証明の提出が必要になるとされています。書面の準備を前提にしましょう。

勤務先へ聞くひと言:「所定労働時間は週何時間の契約になっていますか。被扶養者認定用に労働条件通知書の写しをいただけますか」

パターンC:扶養を外れ、国民健康保険・国民年金に自分で加入

最も手取りが減りやすいゾーンです。勤務先の社会保険にも入れず、配偶者の扶養にも入れないため、保険料を全額自己負担することになります。週の所定労働時間を増やしてパターンAへ移るか、逆に130万円未満へ抑えてパターンBへ戻るか、どちらかへ振り切る判断が現実的とされています。

パターンD:税の壁(136万円/178万円)だけ意識すればよい

社会保険の対象外かつ被扶養者を維持できている状態です。所得税・住民税と配偶者控除の範囲を見ておけば足ります。

パターンE:配偶者手当の基準が実質的な壁になっている

配偶者の会社へ聞くひと言:「配偶者手当の収入基準は、税制改正に合わせて改定されましたか」

見落とされがちな「第3の壁」=配偶者手当

税と社会保険に隠れがちですが、勤務先の家族手当・配偶者手当は独立した壁です。

人事院の令和6年職種別民間給与実態調査(2024)によると、家族手当の制度がある企業は74.5%、配偶者がいる場合に家族手当を支給する企業は53.5%です。また厚生労働省労働基準局「民間企業における『配偶者手当』について」(2022)では、配偶者手当に収入制限を設けている企業の約8割が年収103万円または130万円未満を基準としているとされています。

問題は、この基準が法改正で自動更新されないことです。税法上の判定ラインが123万円→136万円へ動いても、就業規則の「年収103万円未満」という記載はそのまま残る企業があります。

手当が月1万5,000円なら年18万円です。税制改正で控除枠が広がっても、手当を失えば差し引きでマイナスになり得る規模です。実際、令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査では、就業調整の理由として「配偶者手当がもらえなくなるから」を挙げた割合が15.4%でした。

注意

配偶者手当の基準は各社の就業規則・賃金規程で定められており、公的な一覧はありません。配偶者本人が自社の規程を確認するしかない点にご注意ください。人事・総務部門への問い合わせが確実です。

働き方改革とパートの扶養内勤務:予防・再発防止のコツ

結論として、扶養から意図せず外れる事故を防ぐ最大のコツは「年末に確認する」から「契約時と契約更新時に確認する」へタイミングを前倒しすることです。

年3回の確認タイミングを決める

タイミング確認すること見る書類
契約時・契約更新時週所定労働時間、通勤手当、賞与、諸手当労働条件通知書
シフト変更を打診されたとき変更後の週所定労働時間が20時間を超えないかシフト表・契約変更の書面
毎年1月(源泉徴収票の受領時)税の壁(136万円/178万円)に対する実績源泉徴収票

事業主証明の回数制限に注意する

一時的に収入が増えた場合、事業主の証明によって扶養を継続できる仕組みがありますが、原則として連続2回までとされています(厚生労働省「『年収の壁』への対応」2026年)。恒常的に基準を超える働き方をしている場合は、この仕組みで先延ばしし続けることはできません。

社会保険料以外の負担増も見込む

2026年4月から、子ども・子育て支援金の徴収が公的医療保険料への上乗せとして始まりました。被用者保険の令和8年度支援金率は0.23%で労使折半とされています(こども家庭庁/各健康保険者の告知)。

金額としては大きくありませんが、社会保険に加入した場合の手取り減は、従来のシミュレーション記事の数字よりやや大きくなる点は押さえておきましょう。ネット上の手取り試算は改定前の前提で書かれているものが混在しています。

補足

労働時間を延ばす方向へ舵を切る場合、勤務先が使える支援策もあります。キャリアアップ助成金の「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、労働者1人につき最大75万円が事業主に助成されるとされています(厚生労働省 2026年)。勤務先に相談する際の材料になります。

専門家・公的情報の見解と、2028年以降の不確実性

結論として、178万円・136万円という数字は令和8・9年分限定の特例加算を含む金額であり、令和10年分(2028年分)以降は未確定です。この前提でキャリアを設計する必要があります。

数字の内訳を分解する

国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(2025)および令和8年度税制改正大綱によると、控除額は次の構成です。

  • 基礎控除:本則58万円 → 62万円(令和8年度改正)+特例加算 = 最大104万円
  • 給与所得控除の最低保障額:65万円 → 本則69万円 + 特例加算5万円 = 最大74万円
  • 合計 = 178万円(所得税がかからない給与収入の上限)

ここで重要なのは、特例加算が期間限定の措置である点です。本則部分だけなら62万円+69万円=131万円で、178万円との差は特例に支えられています。

国税庁は令和7年度税制改正について、同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額要件を48万円以下から58万円以下(給与収入123万円)へ引き上げたと公表しています(国税庁 2025年)。その後の令和8年度税制改正大綱では、この判定ラインが合計所得62万円以下=給与収入136万円以下へさらに引き上げられました。

2年後を見据えた3つの選択肢

特例加算の扱いが令和10年分以降どうなるかは、現時点では確定していません。そのうえで、一般的に次の3つの方向が考えられます。

  1. 扶養内を維持し、毎年基準を確認する:最も手間がかかりますが、変化に応じて調整できます。契約更新のたびに書面を確認する運用が前提です。
  2. 週20時間以上へ移行し、社会保険に加入する:壁の変動に左右されなくなります。厚生年金の上乗せ、傷病手当金・出産手当金の対象になるという便益がある一方、保険料負担が発生します。
  3. 時間を増やすタイミングを2027年10月の企業規模要件変更に合わせる:勤務先が36人以上なら、この時点で加入対象になる可能性があります。
注意

どの選択が有利かは、配偶者の年収・世帯構成・勤務先の制度・お住まいの自治体によって変わります。本記事は一般的な整理であり、個別の判断を保証するものではありません。判断に迷う場合は、勤務先の担当者、加入する健康保険組合、税務署、または社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

公的な相談窓口

厚生労働省は「年収の壁突破・総合相談窓口」を設けています。

  • 電話:0120-030-045(平日8:30〜18:15)

制度の一般的な内容について無料で相談できるとされています(厚生労働省「『年収の壁』への対応」2026年)。

やってはいけないNG対応

結論として、最も避けたいのは「源泉徴収票の金額だけで130万円を判定すること」です。通勤手当が含まれないため、実際の被扶養者認定基準とずれます。

避けたい対応を、理由とセットで整理します。

NG1:源泉徴収票の支払金額だけで扶養を判断する

源泉徴収票の支払金額には、非課税限度内の通勤手当が含まれません。一方、健康保険の被扶養者認定では通勤手当も賃金として算入されます。同じ「年収」という言葉が、制度によって別のものを指しています

NG2:ネット上の「103万円の壁」情報をそのまま使う

税制上の判定ラインは令和7年分で給与収入123万円、令和8・9年分で136万円へと動いています。2024年以前に書かれた記事の数字は現時点では古い可能性があります。数値を見たら、いつ時点の情報かを必ず確認してください。

NG3:配偶者の会社の手当基準を確認せずに年収を上げる

税の壁が上がったからと年収を130万円台へ引き上げた結果、配偶者手当(月1万円台)を失って世帯の手取りが減る、という組み合わせが起こり得ます。手当の基準は法改正で自動更新されません

NG4:「働き損」を理由にシフトを削り続ける

社会保険料の負担で一時的に手取りが減る帯は確かに存在しますが、厚生年金の上乗せや傷病手当金・出産手当金といった給付は考慮されていません。短期の手取りだけで判断すると、長期の便益を見落とします

NG5:口頭のシフト調整だけで済ませる

2026年4月以降の被扶養者認定は書面ベースです。「店長に週19時間で相談した」だけでは、契約書の記載が週24時間のままなら、書面上の年収見込みで判定される可能性があります。必ず契約書の記載を変更してもらいましょう

まとめ

NG対応に共通するのは「古い基準」「片方の制度だけ」「口頭のみ」の3点です。最新の基準を・3系統すべて・書面で確認する、これが2026年の扶養内パートの基本動作です。

よくある質問

Q1. 扶養内パートで得する働き方はどれですか?

一般的には、週20時間未満で契約年収を130万円未満に収めるか、逆に社会保険に加入してしっかり働くかの二択が現実的とされています。避けたいのは、勤務先の社会保険に入れず配偶者の扶養からも外れて、国民健康保険・国民年金を全額自己負担する状態です。ただし、どちらが有利かは配偶者の年収や勤務先の制度によって変わります。

Q2. 通勤手当は年収に含まれますか?

制度によって扱いが逆になります。所得税では非課税限度内の通勤手当は年収に含みませんが、健康保険の被扶養者認定では労働基準法第11条の賃金として算入されるとされています(日本年金機構 2026年)。月8,000円の通勤手当なら年96,000円が上乗せされる計算です。判定前に契約書で金額を確認してください。

Q3. 働き方改革でパートの扶養内勤務はどう変わりましたか?

最大の変化は判定材料が「実際の年収」から「労働契約書類に記載された賃金」へ移ったことです(2026年4月施行)。契約に定めのない時間外労働の賃金は年間収入見込みに算入しないとされており、突発的な残業で扶養を外れるリスクは下がる方向です。一方、契約書の記載内容そのものが重要になりました。

Q4. 2026年10月に何が変わりますか?

短時間労働者の社会保険加入要件から賃金要件(月額88,000円以上)が撤廃され、週20時間以上という時間基準に一本化される見込みです(令和7年年金制度改正法)。同時に、事業主が保険料の本人負担分の一部を肩代わりできる保険料調整制度(標準報酬月額12.6万円以下が対象、国が最大3年支援)も始まる予定です。勤務先が導入するかどうかで手取りが変わるため、確認をおすすめします。

Q5. 178万円や136万円という数字はずっと使えますか?

令和8・9年分(2026年・2027年分)限定の特例加算を含んだ金額であり、令和10年分以降は現時点で未確定です。基礎控除の本則は62万円、給与所得控除の最低保障額の本則は69万円で、178万円という水準は特例加算に支えられています。2年後に基準が変わる可能性を前提に、契約更新のたびに最新情報を確認してください。

まとめ

2026年の扶養内パートで押さえるべき注意点は、次の5点です。

  1. 判定材料が実際の年収から労働条件通知書に記載された賃金へ変わった(2026年4月)
  2. 社会保険加入の判定が金額から週20時間という時間へ移る見込み(2026年10月)
  3. 通勤手当は税では含まないが被扶養者認定では含む
  4. 配偶者手当は法改正で自動更新されないため第3の壁として別途確認が必要
  5. 178万円・136万円は令和8・9年分限定の特例を含む金額

次の行動は、労働条件通知書を開いて8項目チェックリストを埋めること、そして配偶者の会社の手当基準を確認することです。この2つで、自分がどのパターンに当たるかが判明します。

本記事は一般的な情報の整理であり、個別の税務・社会保険の判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては、勤務先の担当者、加入する健康保険組合、お住まいの自治体、税務署、または社会保険労務士・税理士などの専門家にご確認ください。

最終確認日:2026年8月7日

参考:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(2025)/日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」(2026)/厚生労働省「『年収の壁』への対応」(2026)/人事院「令和6年職種別民間給与実態調査の結果」(2024)/厚生労働省労働基準局「民間企業における『配偶者手当』について」(2022)

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