まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
結論:ペアローンを組む前にまず何をすべきか
- 片方収入のみの返済試算: 産休・育休・転職で一時的に片方の収入が減っても、毎月返済額が世帯手取りの25%以内に収まるか確認します。
- 控除・団信の効果を金額で試算: 住宅ローン控除が2人分になることで実際いくら戻るのか、後述の数値例を参考に自分たちの年収で計算します。
- 代替案と比較: 同じ物件を単独ローン・収入合算(連帯債務)で買った場合と、総費用・リスクを並べて比較します。
ペアローンとは何か?収入合算と何が違う?

| 方式 | 契約本数 | 住宅ローン控除 | 団信 | 諸費用 |
|---|---|---|---|---|
| 単独ローン | 1本 | 1人分 | 本人のみ | 1契約分 |
| ペアローン | 2本 | 2人分 | 夫婦それぞれ加入 | 2契約分 |
| 収入合算(連帯債務) | 1本 | 負担割合に応じて2人分 | 原則主債務者のみ(連生型の例外あり) | 1契約分 |
| 収入合算(連帯保証) | 1本 | 債務者1人分 | 債務者のみ | 1契約分 |
補足
連帯債務型は住宅金融支援機構のフラット35が代表例です。夫婦連生団信「デュエット」(金利上乗せ年0.18%)を付ければ、どちらかが亡くなった場合に残債全体が弁済される仕組みも選べるとされています。
ペアローンのメリットは?単独ローンとどこが違う?
借入可能額が増える
住宅ローン控除を2人分使える
団信と持分が夫婦2人分になる
ペアローンで後悔が生まれる主な原因を深掘り
離婚しても契約は解消されにくい
産休・育休・退職で収入が減る
諸費用と贈与税という見えにくいコスト
団信は「相手の債務」を消さない
注意
「2人分借りられる」は「2人分のリスクを負う」と表裏一体です。特に離婚時の処理は当事者間の合意だけでは完結せず、金融機関の同意が必要になる点を契約前に理解しておく必要があります。
ペアローンが向く夫婦・向かない夫婦の見分け方
- 夫婦とも正社員などで働き続ける意向が固く、収入差が小さい
- 単独ローンでは希望物件の予算に届かない
- 夫婦それぞれに一定の所得税があり、控除枠を2人分使い切れる
- 夫婦それぞれが団信の保障と資産持分を持ちたい
- 近い将来、出産・転職・独立などで片方の収入が大きく変わる可能性がある
- 単独ローンや連帯債務でも予算が足りる
- 片方の所得が低く、控除枠を使い切れない
- 貯蓄が少なく、諸費用や金利上昇への余力がない
デメリットを抑える具体的な解決方法
- 借入配分は収入比と控除余地で決める: 負担割合=登記持分に揃えるのが大原則です。所得の少ない側に控除枠以上の借入を割り当てても節税効果は薄いため、収入比を基本に配分します。
- 連生型団信を検討する: どちらかの死亡で残債全体が弁済される連生型(ペア連生団信)を扱う金融機関もあり、上乗せ金利は年0.2〜0.3%程度が目安とされています。フラット35なら「デュエット」(上乗せ年0.18%)が選択肢です。
- 片方収入での返済比率を確認する: 世帯収入基準ではなく、収入が多い側だけで返済負担率20〜25%以内に収まる借入額を上限の目安にします。
- 手数料の型を比較する: 定額型手数料の金融機関は2本分の負担増になりやすいため、定率型・電子契約対応の金融機関と総費用ベースで比較します。
- 繰上返済のルールを夫婦で決める: 相手の債務を代わりに繰上返済すると贈与税の問題が生じ得るため、自分の契約は自分の資金で返すのが原則です。
ケース別の対処:離婚・収入減・死亡が起きたら
離婚するときの対処
収入が減ったときの対処
死亡・高度障害のときの対処
注意
いずれのケースも当事者だけで判断せず、金融機関に加えて弁護士・税理士・FPなど専門家への相談が推奨されるとされています。
予防・再発防止のコツ:契約前チェック5項目
- 片方収入だけでの返済試算をしたか: ボーナス・残業代を除いた月収ベースで確認します。
- 負担割合と登記持分を一致させたか: 頭金の出どころも含めて割合を計算します。
- 団信の型(通常型か連生型か)を比較したか: 上乗せ金利と保障範囲を見比べます。
- 控除を2人とも使い切れるか試算したか: 源泉徴収票の所得税額と控除見込み額を比べます。
- 万一の際のルールを書面化したか: 繰上返済の資金源、離婚・退職時の対応方針をメモでも残しておきます。
専門家・公的情報の見解
国税庁タックスアンサーNo.4508「共働きの夫婦が住宅を買ったとき」では、購入資金の負担割合と登記の持分割合が異なる場合、その差額分が贈与として贈与税の課税対象になり得ることが示されています。
補足
連生団信の有無、手数料の型、電子契約対応といった商品性は金融機関ごとに差が大きいため、FPや住宅ローン専門の相談窓口を活用して複数行を比較する方法も一般的です。
やってはいけないNG対応
- 上限額まで借りる: 2人分の与信で審査に通っても、返し続けられるかどうかは別問題です。
- 相手の債務を黙って繰上返済する: 年110万円の基礎控除を超えると贈与税の対象になり得ます。
- 離婚時に名義・債務を放置する: 元配偶者の延滞が自分に請求される(連帯保証)リスクが残り続けます。
- 育休中の控除をあてにした資金計画: 所得税がない年は控除の恩恵がほぼないため、計画が狂いやすくなります。
- 1つの金融機関だけで即決する: 団信の型や手数料体系の差で、総費用が数十万円単位で変わることがあります。
注意
特に離婚時の債務放置は、延滞情報が信用情報に記録され自分の将来の借入に影響し得る点で深刻です。金融機関への相談と書面化だけは省略しないことが推奨されます。
まとめ:ペアローンは「続けられる前提」の設計が9割
よくある質問
ペアローンと収入合算(連帯債務)はどちらが良いですか?
ペアローンの諸費用は単独よりいくら増えますか?
妻が育休中でもペアローンは組めますか?
離婚したらペアローンは解消できますか?
最終確認日:2026年7月18日




