注意本記事の試算はすべて一定利回りを前提とした単純計算です。実際の運用は年ごとに大きく上下し、元本割れの可能性があります。将来の運用成果を保証するものではありません。
結論:新NISA 1800万円のほったらかしシミュレーションで最初に見るべき数字
| 埋め方 | 毎月積立額 | 満額到達年齢 | 65歳評価額(年5%) |
|---|
| ①最短5年 | 30万円 | 35歳 | 約7,700万円 |
| ②10年 | 15万円 | 40歳 | 約6,500万円 |
| ③15年 | 10万円 | 45歳 | 約5,500万円 |
| ④30年 | 5万円 | 60歳 | 約4,161万円 |
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新NISAの制度枠は最低限だけ押さえる
- 年間投資枠360万円=つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円
- 生涯非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠1,200万円は内数)
- 売却した分の枠は「翌年以降・簿価(取得額)ベース」で復活
補足制度の細かい解説は金融庁のNISA特設サイトで確認できます。本記事は「制度は分かったが数字が分からない」段階の読者向けに、計算部分を厚くしています。
想定利回りは何%に置くのが妥当?──直近実績をそのまま入れてはいけない理由
3つの系統で置いた利回りを比べる
| 系統 | 想定年率 | 20年後の到達額(概算) | 元本1,200万円との差 |
|---|
| ①直近実績系(オルカン5年年率) | 19.72% | 約9,290万円 | +約8,090万円 |
| ②長期実績レンジ・下限 | 2% | 約1,474万円 | +約274万円 |
| ②長期実績レンジ・中位 | 5% | 約2,055万円 | +約855万円 |
| ②長期実績レンジ・上限 | 8% | 約2,942万円 | +約1,742万円 |
| ③実質リターン(5%−CPI1.7%) | 3.3% | 約1,706万円 | +約506万円 |
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注意直近5年の年率19.72%を30年間の前提として入力すると、月5万円でも数億円という結果が出ます。過去5年の世界的な株高と急速な円安という、同時再現が前提となる条件に依存した数字です。試算の主軸には使わないことをおすすめします。
実質リターン:インフレを引くと数字はどう変わるか
金融庁のつみたてシミュレーターは「手数料・税金は考慮しておらず、将来の運用結果を予測・保証するものではありません」と明記しています(金融庁 NISA特設ウェブサイト つみたてシミュレーター)。インフレも計算に含まれません。
非課税でも消えないコストを利回りから引く
- 信託報酬:低コストインデックスで年0.05〜0.1%程度、アクティブ型では年0.5%以上のものもあります
- 外国源泉税:SBI証券の解説(2026年)によると、NISA口座で保有する米国株・米国株ETFの配当には現地で10%が源泉徴収され、国内で非課税であるがゆえに確定申告による外国税額控除が使えません
新NISA シミュレーション:1800万円を何年で埋めるかで結果はどう変わる?
| 項目 | ①最短5年 | ②10年 | ③15年 | ④30年 |
|---|
| (a)毎月積立額 | 30万円 | 15万円 | 10万円 | 5万円 |
| (b)満額到達年齢(30歳開始) | 35歳 | 40歳 | 45歳 | 60歳 |
| (c)65歳評価額 年3% | 約4,300万円 | 約3,900万円 | 約3,600万円 | 約2,900万円 |
| (c)65歳評価額 年5% | 約7,700万円 | 約6,500万円 | 約5,500万円 | 約4,161万円 |
| (c)65歳評価額 年7% | 約1億3,700万円 | 約1億800万円 | 約8,600万円 | 約6,100万円 |
| (d)−30%下落時の最大含み損(積立期間中・年5%) | 約610万円 | 約580万円 | 約540万円 | 約1,250万円※ |
| (e)年4%定率取り崩しの月額(年5%ケース) | 約25.7万円 | 約21.7万円 | 約18.3万円 | 約13.9万円 |
| (f)(e)をCPI1.7%×30年で割引いた実質月額 | 約15.5万円 | 約13.1万円 | 約11.0万円 | 約8.4万円 |
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※④は満額到達が60歳と遅く、資産規模が最大になる時期が取り崩し開始直前に来るため、下落が最も痛いタイミングと重なりやすい点に注意が必要です。①〜③は積立完了直後の評価額(1,800万〜2,000万円規模)に対する30%として算出しています。
「最短5年が常に有利」とは限らない3つの理由
- 月30万円を5年間続けられる家計は限られます。民間調査(株式会社400F、PR TIMES)では新NISAつみたて投資枠の毎月の積立平均額は58,628円とされており、月5万円前後が実勢に近い水準です。
- 一括に近いほど、投資直後の下落の影響を強く受けます。金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」(2020)によると、1985年以降の国内外の株式・債券への毎月同額積立では、保有期間5年では元本割れのケースが生じたのに対し、保有期間20年では元本割れがなく年率2〜8%に収れんしたと報告されています。
- 枠の復活は翌年・簿価ベースです。生活資金が足りなくなって売却しても、その年のうちに枠は戻らず、年間投資枠360万円も同一年内に再利用できません。無理な速度で埋めて途中売却すると、非課税枠の回転が止まります。
一括投資と積立、どちらのシミュレーションを使うべきか
補足枠を埋め終えた後も、非課税期間は無期限のため保有を続けられます。「埋めたら終わり」ではなく、埋めた後の放置期間の長さが最終額を左右します。
新NISA 月5万円のシミュレーションは現実的か──原因別の見分け方
原因1:利回りを直近実績で置いていた
原因2:積立期間を短く見積もっていた
原因3:コストとインフレを引いていなかった
注意「毎月いくら積み立てれば1,800万円になるか」を逆算するとき、利回りを高く置くほど必要積立額は小さく出ます。年7%で逆算した金額を年3%の現実で走らせると、満額に届かないまま期間が終わる可能性があります。逆算は保守側(年3%)で行い、上振れは余剰として扱うのが安全とされています。
新NISA 取り崩しシミュレーション:何歳まで資産は持つ?
定額と定率、暴落が来たときの差
| 方式 | 取り崩し額 | 開始直後に−30%が来た場合の挙動 |
|---|
| 定額取り崩し | 毎年166万円(月13.9万円)固定 | 資産が2,913万円に減っても166万円を引き出すため、実質引出率が5.7%に上昇。元本の取り崩しが加速し資産寿命が縮む |
| 定率取り崩し | 毎年残高の4% | 残高2,913万円×4%=116万円(月9.7万円)に自動減額。資産は減りにくいが生活費が約3割減る |
| バッファ優先 | 現金から先に支出 | 下落中は投資資産に手を付けず回復を待てる。生活費2年分の現金が目安とされています |
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年金と合わせていくら必要かを逆算する
補足年金額は世帯構成・加入期間・報酬水準で大きく変わります。ねんきんネット等でご自身の見込額を確認したうえで不足分を計算してください。
取り崩し開始前チェックチャート──5つの分岐で決める
Q1. 現金バッファは生活費2年分あるか
- Yes → 年4%の取り崩しを基準にできます
- No → 取り崩し率を年3%に落とし、バッファを積み上げながら開始することが検討されます
Q2. 取り崩し開始直後に−30%が来たらどうするか
Q3. 課税口座も併用しているか
- Yes → 一般的には課税口座から先に売却し、非課税のNISA口座を最後まで残す方が、非課税の複利期間を長く取れるとされています
- No → NISA内で定率取り崩しを設計します
Q4. 使っている証券会社の定期売却方式は何か
| 証券会社 | 指定方式 | 定率戦略の自動化 |
|---|
| 楽天証券 | 金額指定・定率指定(0.01%単位)・期間指定の3方式 | 定率を自動化しやすい |
| SBI証券 | 金額指定のみ | 定率にするには残高を見て手動で金額変更が必要 |
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Q5. 2027年以降に子どもがいるか
注意同大綱では、つみたて投資枠について「定期売却サービスに限り、サービスに通常必要と認められる手数料の徴収を可能とする」措置が明記されました(金融庁、2025年12月)。取り崩しを制度側が正面から想定し始めた最初の改正である一方、将来的に定期売却が有料化される可能性を意味します。取り崩し計画にはこのコスト変動を織り込んでおくのが無難です。
2026年の制度変更でシミュレーションの前提はどう変わる?
- 家族単位の枠が増える(2027年〜):0〜17歳つみたて投資枠が年60万円・上限600万円で新設。夫婦1,800万円×2+子1人600万円なら、世帯合計4,200万円の非課税枠という設計も可能になります
- 取り崩しにコストが乗りうる:定期売却サービスの手数料徴収が容認され、出口の実質コストが上がる可能性があります
- 選べる商品の幅が広がる:つみたて投資枠の指定株式指数に読売株価指数とJPXプライム150指数が追加。さらに指定指数に連動しない公募株式投信の要件が「主に株式に投資するもの」から「主に株式又は公社債に投資するもの」へ変更され、債券中心・バランス型が入りやすくなります。想定利回りの選択肢が広がる一方、株式100%より期待リターンは低くなる傾向があります
やってはいけないNG対応
- NG1:直近実績の年率をそのまま長期前提にする — オルカン5年年率19.72%は円安163〜164円という条件を含みます。同条件の継続を前提にした計画は崩れやすくなります
- NG2:シミュレーション結果を確定額として生活設計に組み込む — 金融庁のツールも「将来の運用結果を予測・保証するものではない」と明記しています
- NG3:下落時に積立を停止する — 保有期間5年では元本割れのケースが生じる一方、20年では年率2〜8%に収れんしたとされています(金融庁、2020)。停止は長期化による収れんの効果を自ら手放す行為になります
- NG4:生活防衛資金までNISAに入れる — 売却しても枠は翌年まで戻りません。急な支出は枠の回転を止めます
- NG5:手数料・外国源泉税を無視した総額で比較する — 信託報酬0.5%と0.1%の差は30年で概算240万円前後、米国株配当には現地10%の源泉税がかかりNISAでは取り戻せません
注意特に注意したいのは、取り崩し開始直後の下落局面で「定額のまま引き出し続ける」ことです。実質引出率が上がり、資産寿命が想定より短くなる可能性があります。
専門家・公的情報の見解
1985年以降、国内外の株式・債券に毎月同額を積立投資した場合、保有期間5年では元本割れ(マイナス)のケースが生じるが、保有期間20年では元本割れがなく年率2〜8%に収れんした。(金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」2020年)
つみたてシミュレーターは「将来いくらになる?」「毎月いくら積み立てる?」「何年間積み立てる?」の3モードで、毎月の積立金額・想定利回り(年率)・積立期間の3項目のみを入力する。手数料・税金は計算に含まれず、将来の結果を予測・保証するものではない。(金融庁 NISA特設ウェブサイト つみたてシミュレーター、2026年)
まとめ:次にやること
よくある質問
Q1. 新NISAのシミュレーションはどのツールを使えばよいですか?
Q2. 新NISAの1800万円は最短何年で埋められますか?
Q3. 新NISAの取り崩しシミュレーションはどう考えればよいですか?
Q4. 新NISAの一括投資シミュレーションはできますか?
Q5. 月5万円の積立で老後資金は足りますか?
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