新nisa 成長投資枠銘柄 おすすめ|初心者が買う前に外す5つの候補
マネーの教科書 / 記事

新nisa 成長投資枠銘柄 おすすめ|初心者が買う前に外す5つの候補

新NISAの成長投資枠で買う銘柄を選ぶとき、最初にやるべきは「おすすめ銘柄ランキングを見ること」ではなく、「自分の金融機関で何が買えるかを確認すること」とされています。銀行やゆうちょ銀行のNISA口座では投資信託しか扱っておらず、証券会社系の記事に並ぶ「おすすめ個別株」は物理的に購入できないためです。

結論を先に示します。20〜40代の資産形成層にとって、成長投資枠のおすすめは次の5タイプです。

  1. 低コスト全世界株式インデックス投信つみたて投資枠と同じ商品を成長投資枠でも購入し、年間投資額を増やす使い方)
  2. 低コスト米国株式(S&P500)インデックス投信(値動きの中心を米国に寄せたい人向け)
  3. 国内高配当株・国内高配当株ETF(配当を受け取りたい人向け/株式数比例配分方式の登録が前提)
  4. 国内上場の外国株式ETF(分配金を円で受け取りたい人向け)
  5. 国内個別株(大型・高配当)(銘柄分析を自分で行える人向け)

ただし、この順位よりも先に通すべきフィルターが3つあります。①自分の金融機関で何が買えるか、②その配当・分配金は本当に手取りで非課税になるか、③売った枠が戻るのはいつか。この3つで候補は自動的に絞られます。本記事はこの順序で解説します。

ポイント

金融庁「NISAの利用状況」(2025年6月末時点資料)によると、成長投資枠の買付額は投資信託が約48.8%、上場株式が約46.8%と、ほぼ二分されています。「成長投資枠=個別株」という前提は、実際のデータとは一致していません。

そもそも成長投資枠とは何か?つみたて投資枠との違い

成長投資枠は、年間240万円まで投資でき、投資信託だけでなく上場株式・ETF・REITも買える枠とされています。生涯の非課税保有限度額1,800万円のうち、成長投資枠で使えるのは最大1,200万円までです。

金融庁のNISA特設ウェブサイトによると、制度の骨格は次のとおりです。

項目成長投資枠つみたて投資
年間投資枠240万円120万円
生涯限度額(簿価)最大1,200万円ー(合算1,800万円)
買える商品投資信託・上場株式・ETF・REIT金融庁の基準を満たす投資信託等
買い方一括・積立の両方積立のみ
併用可(年間合計360万円まで)

つみたて投資枠と同じ投信を成長投資枠で買ってよい

成長投資枠でも、つみたて投資枠の対象投信をそのまま購入できるのが実務上の要点です。

「成長投資枠だから個別株や成長株を買わなければならない」という制度上の縛りはありません。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のような低コストインデックス投信は、両方の枠で購入できます。つまり、年間120万円のつみたて投資枠を使い切ってなお投資余力がある人が、同じ商品を成長投資枠で買い増して年間360万円まで投資額を広げる、という使い方が可能です。

成長投資枠で買えない商品もある

成長投資枠には、長期の資産形成に向かないとされる商品を除外する仕組みがあります。

除外されるのは主に次の4カテゴリです。

  • 整理銘柄・監理銘柄(上場廃止のおそれがある銘柄)
  • 信託期間20年未満の投資信託
  • 毎月分配型の投資信託
  • 高レバレッジ型・インバース型の投資信託

対象商品リストは資産運用業協会が公表しており、随時更新されています。同協会のリストは、投資信託が2026年8月10日、上場投資信託・上場投資法人が2026年7月24日に最終更新されています。なお、このリストの公表元は従来の投資信託協会(toushin.or.jp)から資産運用業協会(imaj.or.jp)へ移行しており、古い記事のリンクはリダイレクトされる点に注意が必要です。

補足

金融庁「令和8年度税制改正について」(2025年12月)によると、つみたて投資枠の対象商品拡充が進められ、債券を含む低リスク商品や地域別株価指数連動型(読売株価指数、JPXプライム150など)が2027年1月から購入可能になる見込みとされています。「低リスク商品は成長投資枠でしか買えない」という現在の使い分け前提は、今後変わる可能性があります。

銘柄より先に決まる:成長投資枠の選び方の基準3ステップ

銘柄より先に決まる:成長投資枠の選び方の基準3ステップ

成長投資枠の銘柄選びは、「金融機関」「配当の受け取り方」「枠の復活タイミング」の3つのフィルターを通すと、候補が自動的に絞られるとされています。信託報酬や純資産総額の比較は、その後の作業です。

フィルター1:あなたの金融機関で何が買えるか

口座がある金融機関の種類だけで、選択肢の9割が決まります。

ゆうちょ銀行のNISA案内ページ(2026年時点)によると、同行のNISAは投資信託のみの取扱いで、つみたて投資枠15本/成長投資枠63本です。個別株・ETF・REITは購入できません。一方、SBI証券は成長投資枠の対象投資信託だけで1,500本超を取り扱っていると公表しており、金融機関によって選択肢に20倍以上の開きがあります。

次の診断チャートで、自分がどのルートにいるかを確認してください。

``` 【第1分岐】NISA口座はどこにありますか?

├─ ネット証券(SBI・楽天・マネックス等) │ → 買える:投資信託(1,000本超)/国内株/米国株/ETF/REIT │ → 第2分岐へ │ ├─ 対面証券(野村・大和・SMBC日興等) │ → 買える:投資信託(数十〜数百本)/国内株/外国株/ETF/REIT │ → 手数料水準を要確認。第2分岐へ │ └─ 銀行・ゆうちょ銀行 → 買える:投資信託のみ(ゆうちょは成長投資枠63本) → 【個別株ルートはここで終了】 → 個別株・ETFを買いたいなら金融機関変更が必要 ・変更受付:変更したい年の前年10月1日〜その年9月30日 ・その年に1円でも買付済みなら、変更は翌年扱い → 変更しない場合の現実解: 取扱い投信の中から「信託報酬0.2%以下・純資産総額500億円以上」 の全世界株式または米国株式インデックス投信を選ぶ

【第2分岐】年間いくら投資できますか?

├─ 〜120万円 │ → 【結論:成長投資枠は使わなくてよい】 │ → つみたて投資枠(年120万円)だけで枠が足ります │ → 成長投資枠を無理に埋める必要はありません │ ├─ 120万〜240万円 │ → つみたて投資枠120万円を先に埋める │ → 残りを成長投資枠へ(同じ投信でOK) │ → 第3分岐へ │ └─ 240万円超 → つみたて投資枠120万+成長投資枠240万=年360万円 → 商品分散を検討する段階。第3分岐へ

【第3分岐】配当・分配金を受け取りたいですか?

├─ はい(キャッシュフローが欲しい) │ → 国内高配当株/国内高配当株ETF/J-REIT │ → 【必須確認】配当金受取方式が「株式数比例配分方式」か? │ ・未登録なら配当は課税される(非課税にならない) │ ・権利確定日を過ぎてからの変更は当期分に間に合わない │ → 米国高配当ETFの直接購入は現地10%が引かれる点に注意 │ └─ いいえ(複利で増やしたい) → 無分配・再投資型のインデックス投信 → 条件の目安:信託報酬 年0.2%以下/純資産総額 500億円以上 設定から3年以上経過/繰上償還リスクが低い ```

フィルター2:配当・分配金は本当に「手取り非課税」になるか

配当を受け取るタイプの商品は、NISA口座でも手取りが目減りするケースがあります。

日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」(2024年)によると、NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税とするには「株式数比例配分方式」の選択が必要です。この登録がないまま配当を受け取ると、NISA口座であっても課税されます。

注意

株式数比例配分方式には見落としやすい落とし穴が3つあります。

①権利確定日以降に登録しても、その回の配当は非課税になりません。

②複数の証券会社に口座がある場合、受取方式は全社で連動します。1社で「配当金領収証方式」に変えると、他社のNISA配当も非課税でなくなります。

③投資信託の分配金には、この設定は関係ありません(証券口座で受け取るため)。

フィルター3:売った枠が戻るのは「翌年」かつ「簿価」

成長投資枠は、機動的に売買できる枠ではありません。

金融庁 NISA特設ウェブサイトの「よくある質問」によると、非課税保有限度額は簿価残高方式で管理され、売却した商品の簿価分の枠が再利用できるのは翌年以降です。しかも復活するのは取得価額(簿価)であって、値上がり後の時価ではありません。年間投資枠240万円の制約も同時にかかります。

ポイント

「年内に利益確定して、同じ年に別の銘柄へ乗り換える」という戦略は、成長投資枠では成立しません。短期売買を前提とした銘柄選びをすると、枠を1回使い切って終わりになります。

【比較一覧表】成長投資枠おすすめ5タイプの比較

成長投資枠で現実的な選択肢は、低コストインデックス投信を軸に、配当が欲しいかどうかで国内高配当株・ETFを足すかを決める形が基本とされています。以下は5タイプの比較です。

順位タイプコストの目安分配金銀行・ゆうちょで買えるか向いている人
1位全世界株式インデックス投信信託報酬 年0.05〜0.11%程度無分配・再投資型が主流○(取扱いがあれば)最初の1本を決めたい人/地域配分を考えたくない人
2位米国株式(S&P500)インデックス投信信託報酬 年0.07〜0.10%程度無分配・再投資型が主流○(取扱いがあれば)米国中心で運用したい人
3位国内高配当株・国内高配当株ETF売買手数料+ETFは信託報酬 年0.1〜0.3%程度あり(年1〜4回)×(ETF・個別株は不可)配当というキャッシュフローが欲しい人
4位国内上場の外国株式ETF信託報酬 年0.1〜0.3%程度あり×円で分配金を受け取りたい人
5位国内個別株(大型・高配当)売買手数料(無料の証券会社も)銘柄による×自分で企業分析ができる人/株主優待も狙う人

※コスト水準は2026年8月時点の一般的な目安です。実際の数値は各商品の目論見書で必ず確認してください。

配当・分配金の「手取り」比較表(この記事の独自比較)

同じ「米国株に投資する」でも、買い方で手取りが約1割変わります。

(A)国内高配当株(B)国内上場ETF(外国資産組入)(C)米国ETF・米国株を直接購入(D)米国株投資の国内投信(無分配型)(E)J-REIT
①日本国内での課税0%(NISA)0%(NISA)0%(NISA)0%(NISA)0%(NISA)
②現地源泉徴収なしファンド内で控除済み10%ファンド内で控除済みなし
③二重課税調整制度NISAは対象外対象外NISAは対象外NISAは対象外
④外国税額控除不可不可不可
⑤非課税に必要な設定株式数比例配分方式(必須)株式数比例配分方式(必須)不要不要株式数比例配分方式(必須)
⑥分配金100円あたり手取り100円ファンド内控除後の額約90円(分配なし・内部再投資)100円
⑦向いている人円で配当が欲しい人円で分配金が欲しい人米国ETFを指定買いしたい人複利で増やしたい人不動産に分散したい人
注意

同じ「米国株に投資」でも、(C)米国ETFを直接買う場合と(D)国内投信で買う場合とで、分配金の手取りは約1割違い、その差はNISAでは取り返せません。

理由は制度の構造にあります。日本証券業協会の資料(2020年)によると、投資信託等の二重課税調整制度は「国内で課税されている分」を調整する仕組みです。NISA口座は国内分がそもそも非課税なので、調整の対象になりません。外国税額控除も、日本で課税されていない以上「二重課税ではない」という整理になり、適用できません。楽天証券も「NISA口座で保有する投資信託等には二重課税調整が適用されない」旨を公式に説明しています。

課税口座なら取り戻せるはずの外国税が、NISAでは取り戻せない——高配当の米国銘柄を勧める記事の多くが、この逆転現象に触れていません。

おすすめ第1位:全世界株式インデックス投信(最初の1本の基準)

最初の1本として一般的に支持されているのは、信託報酬 年0.1%前後の全世界株式インデックス投信です。1本で先進国・新興国を含む数千銘柄に分散でき、地域配分を自分で判断する必要がありません。

なぜ成長投資枠でもインデックス投信なのか

実データが、個別株一択ではないことを示しています。

金融庁「NISAの利用状況」(2025年6月末時点)によると、成長投資枠の買付額の内訳は投資信託 約3兆6,219億円(48.8%)、上場株式 約3兆4,750億円(46.8%)、ETF 約2,956億円(4.0%)、REIT 約365億円(0.5%)です。買付額の約半分は投資信託であり、「成長投資枠は個別株の枠」という前提は実態とずれています。

さらに、日本証券業協会が2026年1月に実施した7,926人への調査(新NISA利用動向調査)によると、成長投資枠での個別株投資は60代以上が中心層とされています。退職金など元本の厚い層が配当目的で個別株を買う構図であり、これから積み上げる20〜40代とは前提が異なります。

選ぶときの具体的な条件

商品名で選ぶより、数値条件で絞るほうが再現性があります。

  • 信託報酬:年0.2%以下(全世界株式なら0.1%前後の商品が複数あります)
  • 純資産総額:500億円以上(繰上償還のリスクを下げるため)
  • 設定からの経過年数:3年以上(実績の確認ができる)
  • 分配金:無分配・内部再投資型(NISAの非課税メリットを最大化しやすい)
  • 信託期間:無期限または20年以上(成長投資枠の対象要件でもあります)

向いている人・向いていない人

向いている人は、投資判断に時間をかけたくない人です。

一方、向いていないのは「今すぐ配当というキャッシュフローが欲しい人」です。無分配型は分配金が出ないため、資産は増えても手元の現金は増えません。生活費の補填を目的とするなら、後述の第3位・第4位を検討してください。

ポイント

銀行・ゆうちょ銀行のNISA口座しか持っていない場合でも、このタイプは購入できる可能性が高いカテゴリです。取扱本数が少ない金融機関ほど、「信託報酬0.2%以下」の条件で機械的に絞ると候補が数本まで減り、かえって迷いません。

おすすめ第2位:米国株式(S&P500)インデックス投信

第2位は、米国の主要500社に投資するS&P500連動型のインデックス投信です。全世界株式との違いは、投資先を米国に集中させる点にあります。

全世界株式とどちらを選ぶべきか

判断軸は「米国以外の地域を持ちたいかどうか」の1点です。

全世界株式インデックスも、時価総額比で組成されるため米国の比率が6割前後を占めるのが一般的です。つまり両者は排他的な選択ではなく、「米国以外の約4割を持つか、持たないか」の差と整理できます。

比較軸全世界株式S&P500
投資対象先進国+新興国 数千銘柄米国の主要500社
米国比率6割前後100%
集中リスク相対的に低い米国経済に依存
判断の手間不要(自動でリバランス)米国偏重を許容できるかの判断が必要
信託報酬年0.05〜0.11%程度年0.07〜0.10%程度

2本持つ意味は薄い場合がある

両方を買っても、実質的には米国比率を上げているだけになります。

全世界株式とS&P500を半々で持つと、ポートフォリオ全体の米国比率は8割前後になります。これは「分散した」というより「米国に寄せた」状態です。分散を意図しているなら、どちらか1本に絞るほうが意図と結果が一致しやすいとされています。

補足

どちらを選んでも、将来のリターンを保証するものではありません。過去の米国株の好調がそのまま続くとは限らず、地域集中は上振れも下振れも大きくなる性質があります。判断に迷う場合は、より分散の効いた全世界株式を基本とする考え方が一般的です。

おすすめ第3位:国内高配当株・国内高配当株ETF(配当が欲しい人向け)

第3位は、配当というキャッシュフローを非課税で受け取れる国内高配当株・国内高配当株ETFです。国内株の配当には現地源泉徴収がないため、NISAの非課税メリットが素直に効きます。

実際に買われている銘柄

各社のランキングは、上位が大きく重なっています。

SBI証券 投資情報メディア(2026年)が公表した2026年1〜3月のNISA買付ランキング(日本株)は、1位 任天堂(7974)、2位 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、3位 NTT(9432)でした。野村證券のNISA成長投資枠 個別銘柄ランキング(2026年2月・約定件数ベース)は、1位 NTT(9432)、2位 ソフトバンク(9434)、3位 三菱UFJ FG(8306)、4位 日本製鉄(5401)、5位 日本電気(6701)です。

ただし、これは「多くの人が買っている」という事実であって、値上がりや配当の継続を示すものではありません。減配や株価下落の可能性は常にあります。

買う前に必ず済ませる設定(手順)

配当を非課税で受け取るには、事前の登録が必要です。

  1. 証券会社の口座管理画面で「配当金受取方式」の現在設定を確認する
  2. 「株式数比例配分方式」以外(配当金領収証方式・登録配当金受領口座方式など)になっていれば変更する
  3. 変更手続きは、買いたい銘柄の権利確定日より前に完了させる(証券保管振替機構での反映に数営業日かかる場合があります)
  4. 他社にも証券口座がある場合、その設定も連動して変わることを確認する
  5. 変更完了後に、NISA口座で買い付ける
注意

手順3と4が最も見落とされます。日本証券業協会の注意事項(2024年)によると、権利確定日以降に登録しても、その回の配当は非課税になりません。「NISA口座で買ったから自動的に非課税」ではない点が、高配当株投資の最初の落とし穴です。

個別株かETFか

銘柄分析の手間を避けたいなら、高配当株ETFが選択肢になります。

個別株は1銘柄への集中リスクがあり、減配や業績悪化の影響を直接受けます。国内の高配当株ETFなら数十〜百銘柄程度に分散され、銘柄の入替も指数のルールに従って自動で行われます。その代わり、信託報酬(年0.1〜0.3%程度)が継続的にかかります。

おすすめ第4位・第5位:国内上場の外国株式ETFと国内個別株

第4位・第5位は、目的が明確な人向けの選択肢です。全員に勧められる汎用性はありませんが、条件が合えば有力です。

第4位:国内上場の外国株式ETF

円で分配金を受け取りたいなら、国内上場ETFが選択肢になります。

米国ETFを直接買う場合と比べた利点は、為替手続きが不要で円のまま売買・受取ができる点です。ただし前掲の手取り比較表のとおり、外国資産を組み入れるETFではファンド内で現地の税が控除されており、かつNISA口座では二重課税調整制度の対象外です。「国内ETFなら外国税がゼロ」というわけではない点は理解しておく必要があります。

第5位:国内個別株(大型・高配当)

個別株は、自分で判断できる人にとっての選択肢です。

日本証券業協会の調査(2026年1月実施)によると、成長投資枠の1人あたり平均購入金額は約94.2万円で、年間枠240万円の約39%にとどまります。また購入銘柄タイプは「日本国内株式」が48.2%でした。個別株を買う人は一定数いますが、枠を使い切っているわけではないことが分かります。

補足

2026年6月12日、スペースX(ティッカー:SPCX)が米ナスダックに上場しました。楽天証券のお知らせ(2026年6月)によると、公募価格135ドル・初値150ドル(+11.1%)で、楽天証券・SBI証券が取扱いを開始し、NISA成長投資枠でも買付可能です。楽天証券の2026年6月・成長投資枠 米国株ランキングでは1位に浮上しました。ただし新規上場銘柄は値動きが大きくなりやすく、成長投資枠は売っても枠が翌年まで戻らないため、値動きの大きい銘柄に枠を割く判断は慎重に行う必要があります。

注意

個別株を成長投資枠で買う際の最大の制約は、損益通算ができない点です。NISA口座で発生した損失は、課税口座の利益と相殺できず、繰越控除もできません。値下がりリスクの高い銘柄ほど、この非対称性が効いてきます。

新NISA成長投資枠の銘柄おすすめは投資信託でよい?金融機関別の答え

結論として、銀行・ゆうちょ銀行にNISA口座がある人の答えは「投資信託一択」です。個別株・ETF・REITの取扱いがないため、他の選択肢が存在しません。

ゆうちょ銀行の新NISA成長投資枠でおすすめの銘柄は?

ゆうちょ銀行では、成長投資枠63本の投資信託から選ぶことになります。

ゆうちょ銀行のNISA案内ページ(2026年時点)によると、同行の取扱いはつみたて投資枠15本/成長投資枠63本で、すべて投資信託です。証券会社系の記事に載っているNTTや三菱UFJ FGといった個別株は、ゆうちょ銀行のNISA口座では購入できません。

63本から選ぶ現実的な手順は次のとおりです。

  1. 商品一覧から「インデックス型」に絞る
  2. 信託報酬 年0.2%以下の商品だけを残す
  3. 残った中から、投資対象が「全世界株式」または「米国株式(S&P500)」のものを選ぶ
  4. 純資産総額500億円以上を優先する
  5. 該当が1〜2本に絞れたら、それが現在の口座での現実的な最適解
ポイント

条件を満たす商品が63本の中に1本も無い場合、検討すべきは「銘柄の妥協」ではなく「金融機関の変更」です。NISAの金融機関変更は、変更したい年の前年10月1日〜その年9月30日に受け付けられます。ただしその年にすでに1円でも買付をしていると、変更は翌年からの扱いになります。

楽天証券・SBI証券での新NISA成長投資枠の銘柄選び

ネット証券は本数が多い分、絞り込み条件を先に決める必要があります。

SBI証券 投資情報メディア(2026年1月)によると、同社の成長投資枠 対象投資信託の取扱本数は1,500本超です。ゆうちょ銀行の63本と比べて20倍以上あり、「全部を比較する」ことは現実的ではありません。前述の数値条件(信託報酬0.2%以下・純資産総額500億円以上・設定3年以上)で機械的に絞るのが効率的です。

ネット証券を使う場合の追加メリットとして、クレジットカード積立があります。SBIホールディングスのプレスリリース(2024年3月8日)によると、2024年3月の法令改正を受けてクレカ積立の上限は月10万円に引き上げられ、つみたて投資枠・成長投資枠のどちらにも利用できます。

成長投資枠でETFはおすすめ?

ETFは「分配金を受け取りたい人」に限って検討する対象とされています。

金融庁「NISAの利用状況」(2025年6月末時点)によると、成長投資枠の買付額に占めるETFの比率は約4.0%にとどまります。理由の一つは、投資信託と違って自動積立や金額指定買付に対応していないケースがあり、少額の積立には向きにくい点です。無分配型の投資信託で複利運用したい人にとっては、ETFを選ぶ積極的な理由が乏しくなります。

年間240万円をいつ入れる?売ったら枠はいつ戻る?計算で確認

年間240万円の成長投資枠は、理論上は年初一括のほうが期待リターンが高くなりますが、売却しても枠が戻るのは翌年・簿価ベースです。この2点を数字で確認します。

パート1:投入タイミング3シナリオの比較

投資期間が長いほど、複利が働く時間も長くなります。

年率4%を想定し、その年の年末時点の評価額を「投入額×(1+0.04)^(残り月数/12)」の単純計算で比較します(分配金・手数料・税は考慮しない簡易計算です)。

シナリオ投入方法年末評価額(概算)投資期間の加重平均
① 年初一括1月に240万円約249.6万円12.0か月
② 毎月分割毎月20万円×12回約244.9万円6.5か月
③ つみたて優先つみたて枠120万円を先に埋め、残りを成長投資枠へ投入時期次第

①と②の差は概算で約4.7万円です。市場が右肩上がりだった場合、年初一括のほうが有利になります。

それでも分割を選ぶ判断軸があります。年初に240万円を投じた直後に相場が2割下落すると、含み損は約48万円になります。この状況で積立を継続できるかは、期待リターンの計算とは別の問題です。分割投資は期待リターンを少し下げる代わりに、この心理的コストを平準化する選択と整理できます。

補足

上記は年率4%を仮定した単純計算です。実際の運用成果は市場環境によって変動し、元本を下回る可能性があります。将来のリターンを示すものではありません。

パート2:枠復活シミュレーション

「利益確定して買い直す」は、年内には成立しません。

100万円で買った商品が150万円に値上がりし、売却したケースを整理します。

タイミング復活する成長投資枠根拠
売却したその年0円枠の再利用は翌年以降のため
翌年簿価100万円(時価150万円ではない)簿価残高方式で管理されるため
翌年に実際使える額min(復活分100万円+未使用分, 年間240万円)年間投資枠の上限が別途かかるため

金融庁 NISA特設ウェブサイトの「よくある質問」に基づく整理です。利益の50万円分は枠として戻ってこない点、そして年内の再投資には使えない点が要点です。

注意

成長投資枠を「機動的に売買できる枠」と考えて短期売買を組み立てると、枠を1回で消費して終わります。買った後に長く保有できる商品を選ぶ、という順序で銘柄を考えるほうが制度と整合します。

パート3:クレカ積立の上限を踏まえた逆算

クレカ積立だけでは、成長投資枠240万円は埋まりません。

クレカ積立の上限は月10万円(年120万円)です。つみたて投資枠120万円をクレカ積立で埋めた場合、成長投資枠240万円は別途入金する必要があります。

使い方年間額入金方法
クレカ積立(つみたて投資枠に充当)120万円クレジットカード
成長投資枠の月次積立例:月10万円×12=120万円証券口座から引落
成長投資枠の残り120万円ボーナス月などにスポット入金
合計360万円

年360万円を毎年投じると、生涯限度額1,800万円は5年で到達します。無理に埋める必要はなく、前掲の第2分岐のとおり、年間投資額が120万円以下なら成長投資枠を使わない判断も合理的です。

成長投資枠の始め方:口座開設から最初の1本まで

最初の1本を買うまでの実務は5ステップで、口座開設から買付完了まで一般的に1〜3週間程度とされています。銘柄探しで止まってしまう人が多いのが、この段階です。

大和アセットマネジメント「投資信託と資産形成 白書2026」によると、証券会社のNISA口座2,052万口座のうち、2025年中に買付があった稼働口座は62.2%で、37.8%は買付額ゼロの未稼働口座でした。口座を開いたまま何も買っていない人が4割近くいる計算です。

手順

  1. 金融機関を選ぶ:本記事の第1分岐で確認。個別株・ETFも検討したいならネット証券を選ぶ
  2. NISA口座を申し込む:マイナンバー確認書類と本人確認書類を提出。税務署での二重口座チェックがあるため、開設完了まで数営業日〜2週間程度かかることがあります
  3. 配当金受取方式を確認する:個別株・ETF・REITを買う予定があるなら、この段階で「株式数比例配分方式」に設定(後回しにすると初回配当が課税されます)
  4. 入金する:銀行振込、または即時入金サービスを利用
  5. 最初の1本を買う:金額を決めて発注。積立設定にすると、以降は自動化されます
ポイント

「いくらから始めるか」で迷ったら、金額を下げてでも始めるほうが、決めきれずに未稼働のままにするより前に進みます。多くのネット証券では投資信託を月100円から購入でき、成長投資枠でも金額指定の積立設定が可能です。日本証券業協会の調査(2026年1月)でも、成長投資枠の1人あたり平均購入金額は約94.2万円と、年間枠240万円の約39%にとどまっています。満額を前提に考える必要はありません。

成長投資枠のメリットと注意点

最大のメリットは運用益・配当が非課税になることですが、損益通算・繰越控除ができない点と、枠の復活が翌年である点が主な注意点とされています。

メリット

  • 運用益・配当金・分配金が非課税:課税口座なら約20%かかる税が原則ゼロになります
  • 非課税期間が無期限:旧NISAのような期限がなく、長期保有と相性が良い制度です
  • 年間240万円・生涯1,200万円まで:つみたて投資枠と併用すれば年360万円・生涯1,800万円まで使えます
  • 一括投資も積立も可能:つみたて投資枠と違い、まとまった資金の投入ができます
  • 商品の選択肢が広い:金融機関によっては個別株・ETF・REITも対象になります

注意点

  • 損益通算・繰越控除ができない:NISA口座の損失は、課税口座の利益と相殺できません
  • 売却しても枠は翌年・簿価でしか戻らない:短期売買には向きません
  • 米国株・米国ETFの配当は現地10%が引かれ、取り戻せない:外国税額控除も二重課税調整も適用外です
  • 株式数比例配分方式の登録がないと配当が課税される:口座を作っただけでは非課税になりません
  • 金融機関によって選択肢が大きく違う:ゆうちょ銀行63本 vs SBI証券1,500本超と20倍以上の差があります
  • 元本割れの可能性がある:非課税は「利益が出た場合」のメリットであり、損失を防ぐ仕組みではありません
まとめ

成長投資枠は「非課税で長く持てる枠」であって、「機動的に売買する枠」ではないとされています。銘柄選びの前に金融機関・配当設定・枠の復活ルールを確認しておくと、後から取り返せない失敗を避けやすくなります。

よくある質問

Q. 成長投資枠とつみたて投資枠、どちらを先に使うべきですか?

一般的には、つみたて投資枠(年120万円)を先に埋め、余力があれば成長投資枠を使う順序が分かりやすいとされています。生涯限度額1,800万円のうち成長投資枠で使えるのは最大1,200万円までで、つみたて投資枠の分は成長投資枠に振り替えられないためです。年間投資額が120万円以下なら、成長投資枠を無理に使う必要はありません。

Q. 成長投資枠でも、つみたて投資枠と同じ投資信託を買っていいですか?

買えます。制度上、成長投資枠でつみたて投資枠対象の投信を購入することに制限はありません。むしろ、金融庁「NISAの利用状況」(2025年6月末時点)で成長投資枠の買付額の約48.8%が投資信託であることからも、一般的な使い方の一つといえます。「成長投資枠だから個別株や成長株でなければならない」という決まりはありません。

Q. NISA口座で米国ETFを買うと、税金はどうなりますか?

日本国内の税は非課税ですが、配当には現地で10%が源泉徴収され、その分は取り戻せません。日本証券業協会の資料(2020年)によると、投資信託等の二重課税調整制度は国内課税分を調整する仕組みであり、NISA口座は国内分が非課税のため対象外です。外国税額控除も、日本で課税されていない以上適用されません。分配金100円あたりの手取りは約90円になる計算です。

Q. 成長投資枠で売却したら、その分の枠はすぐ使えますか?

いいえ。枠が復活するのは翌年以降で、金額は取得価額(簿価)ベースです。金融庁 NISA特設ウェブサイトの「よくある質問」によると、非課税保有限度額は簿価残高方式で管理されています。100万円で買って150万円で売った場合、翌年に戻るのは100万円分で、値上がり益の50万円分は枠として戻りません。年内の買い直しにも使えません。

Q. 銀行やゆうちょ銀行のNISAでも個別株は買えますか?

買えません。ゆうちょ銀行のNISA案内ページ(2026年時点)によると、同行の取扱いは投資信託のみで、つみたて投資枠15本/成長投資枠63本です。個別株・ETF・REITを購入したい場合は、証券会社への金融機関変更が必要です。変更は、変更したい年の前年10月1日〜その年9月30日に受け付けられますが、その年にすでに買付をしている場合は翌年からの適用になります。

まとめ:銘柄名より先に、3つのフィルターを通す

新NISAの成長投資枠で銘柄を選ぶときの要点を整理します。

  • 順序が逆になっている人が多い:おすすめ銘柄を探す前に、①自分の金融機関で何が買えるか ②配当は本当に手取りで非課税か ③売った枠はいつ戻るか、を確認する
  • 銀行・ゆうちょなら投資信託一択:ゆうちょ銀行は成長投資枠63本、すべて投資信託。証券会社系の記事の「おすすめ個別株」は買えない
  • 20〜40代の基本は低コストインデックス投信:成長投資枠の買付額の約半分は投資信託で、個別株の中心層は60代以上とされている
  • 配当が欲しいなら株式数比例配分方式を先に登録:権利確定日を過ぎてからでは間に合わず、複数証券会社の設定は連動する
  • 米国ETF直接購入は現地10%が取り戻せない:同じ米国株投資でも、買い方で分配金の手取りが約1割変わる
  • 売った枠は翌年・簿価でしか戻らない:短期の利益確定・乗り換え戦略は成立しない

次の行動としては、まず自分のNISA口座がどの金融機関にあるかを確認し、取扱商品一覧を開いてみることをおすすめします。個別株を買いたいのに銀行口座しかないなら、9月30日という金融機関変更の期限を意識してください。すでにネット証券に口座があり、まだ1円も買っていないなら、金額を下げてでも最初の1本を決める段階です。

注意

本記事は制度と公開データの解説であり、特定の商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。金融商品には価格変動リスクがあり、元本を下回る可能性があります。税制や商品の取扱いは変更される場合があるため、実際の手続きの前に金融庁NISA特設ウェブサイト、資産運用業協会の対象商品リスト、各金融機関の最新情報をご確認ください。個別の税務・資産形成のご相談は、税理士やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などの専門家にご相談ください。

最終確認日:2026年8月12日

関連記事