まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- 2022年に一般NISA(旧NISA)で買った分は、2026年末で非課税期間が終わります
- 年内の売却として扱われるかどうかは、注文した日ではなく受渡日(お金が動く日)が基準になります
NISAの売却タイミングはいつが正解?まず何をすべきか
- 売る理由を1つに決める(生活資金・リバランスや乗り換え・損切り・旧NISAの期限・利益確定のどれか)
- 枠がいつ戻るかを確かめる(新NISAで売った分の枠は翌年以降に戻ります)
- 売った後の税金を確かめる(新NISAの中の売却益は非課税です。旧NISAから課税口座へ移った分は課税されます)
| 判断の軸 | 確かめること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 売る理由 | 何のためのお金か、いつ必要か | 自分の家計・ライフプラン |
| 枠が戻る時期 | 戻る額(簿価)と、売却が何年の扱いになるか | 証券会社の取引画面・年末スケジュール |
| 売った後の税 | 新NISAか旧NISAか、移管後の取得価額 | 証券会社の口座区分の表示 |
売りどきで迷う主な原因は「枠・期限・税」のルール

| 原因 | 何が起きるか | よくある誤解 |
|---|---|---|
| ① 枠の戻り方 | 売った分は簿価(買ったときの金額)だけが、翌年以降に戻ります | 売った金額が、すぐ戻ると思っている |
| ② 年末の期限 | 受渡日が翌年にずれると、翌年の売却として扱われることがあります | 12月中に注文すれば年内扱いだと思っている |
| ③ 税のルール | NISAの損は他の口座と相殺できません。旧NISAは期限後に課税口座へ移ります | 損切りで節税できると思っている |
補足
旧NISA(2023年までの一般NISA・つみたてNISA)は、売っても枠は戻りません。枠が戻るのは、2024年から始まった新NISAです。
売る理由別の見分け方:5つのYes/Noチャート
- Yes → 一度に全部売らず、使う時期より前から何回かに分けて売る方法を検討します。定期売却サービスを使うなら、手数料の有無も確認します
- No → Q2へ
- Yes → 今年の年間投資枠(最大360万円)が売る前から残っていれば、同じ年に買い直せます。残っていなければ、翌年まで待つかを考えます
- No → Q3へ
- Yes → NISAの損は、他の口座の利益と相殺(損益通算)できません。課税口座の損切りとは考え方がちがいます
- No → Q4へ
- Yes → 「売る」「課税口座へ移す」「売って新NISAで買い直す」の3択から選びます(あとの章で計算します)
- No → Q5へ
- Yes → 「売らない」を有力な候補にします。新NISAは非課税で持てる期間に期限がないため、持ち続ければ、その後の値上がり益も非課税のままです
注意
このチャートは考え方の整理です。家計や商品によって合う答えは変わります。迷うときは、証券会社やFPなどの専門家にも相談してください。
新NISAの売却枠はいつ・いくら復活する?
計算例①:100万円で買って150万円で売ったとき
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 買ったときの金額(簿価) | 100万円 |
| 売ったときの金額 | 150万円 |
| 翌年以降に戻る生涯枠 | 100万円 |
| 枠に戻らない分(値上がり益) | 50万円 |
1,800万円を使い切った人の翌年の投資額
- 翌年に投資できる額 = min(戻った簿価, 年間投資枠360万円)
- 例:簿価500万円分を売ると、翌年に戻る生涯枠は500万円です。ただし1年で使えるのは最大360万円なので、残りの140万円は翌々年以降に使います
売った年に買い直したいとき
NISA売却の年末締切は?受渡日で考える2026年のスケジュール
- 約定日:売買が成立した日です
- 受渡日:お金と商品が実際にやり取りされる日です
年内に受渡を終える最終約定日の計算(2026年版)
| 約定日から受渡日までの営業日数 | 年内受渡の最終約定日 | 該当しやすい例 |
|---|---|---|
| 2営業日後 | 12月28日(月) | 国内株式・国内ETF |
| 3営業日後 | 12月25日(金) | 投資信託(商品による) |
| 4営業日後 | 12月24日(木) | 投資信託(商品による) |
| 5営業日後 | 12月23日(水) | 投資信託(商品による) |
注意
投資信託は、注文日と約定日がずれる商品や、海外の休場日で申込できない日がある商品があります。受渡までの日数は、目論見書と証券会社の年末年始スケジュールで商品ごとに確認してください。
- □ 売った分の簿価をメモしたか(翌年に戻る枠の額です)
- □ 信託財産留保額(売るときにかかる費用)があるか確かめたか
- □ 受渡日を考えても、お金が必要な日まで余裕があるか
- □ 旧NISAの2022年分が、最終営業日の終値で課税口座へ移されることを知っているか
旧NISAの非課税期間終了、どうする?2022年分の3つの選択肢
計算例②:含み損のまま移すと起きる落とし穴
- 2022年に100万円で購入
- 2026年12月30日の終値80万円で課税口座へ移管 → 新しい取得価額は80万円
- その後、100万円まで戻ったところで売却
- 税金:(100万円−80万円)×20.315%=40,630円
計算例③:3つの選択肢を比べる
| 選択肢 | 2026年の扱い | 新NISAの年間枠の消費 | 150万円で売ったときの税 |
|---|---|---|---|
| A:旧NISAで売って現金で持つ | 30万円の値上がり益は非課税 | 0円 | なし(その後の値上がりは受け取れない) |
| B:課税口座へ移して持ち続ける | 取得価額が130万円になる | 0円 | 40,630円 |
| C:売って新NISAで買い直す | 30万円の値上がり益は非課税 | 130万円 | 0円(新NISAの中で売る場合) |
予防・再発防止のコツ:売る前に毎年やること
- 10〜11月に枠の残りを確認する:今年の年間投資枠と生涯枠(簿価)の残りを、取引画面で見ます
- 売ったら簿価をメモする:翌年に戻る額がすぐ分かります
- 旧NISAの期限を一覧にする:一般NISAは購入年から5年間が非課税期間で、たとえば2023年分は2027年末までです(楽天証券)
- 取り崩しは前もって計画する:使う時期が近づく前に、売る時期と回数を決めておきます
補足
一度にまとめて売ると、そのときの相場で結果が大きく左右されます。分けて売ると売値は平均に近づきますが、損失を避けられるわけではありません。
公的情報の見解:2027年以降に変わること
| 項目 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠の年齢要件 | 0〜17歳も使える(年60万円・上限600万円)。12歳以降は、子の同意を得た場合に払出しができる | 令和8年度改正。令和9年(2027年)から |
| つみたて投資枠の対象 | 「主に株式又は公社債に投資するもの」へ広げる | 令和8年度改正 |
| 定期売却サービス | つみたて投資枠でも、定期売却サービスに限り手数料を取れるようにする | 令和8年度改正 |
| 売った枠の当年中の復活 | 売った年のうちに生涯枠を再利用できるようにする案 | 令和9年度改正の要望段階(未確定) |
注意
制度の情報は2026年11月3日時点のものです。最新の案内は金融庁や証券会社で確認してください。
NISA売却の注意点:やってはいけないNG対応
NISAの損失は損益通算できる?
その他のNG対応
| NG対応 | なぜ不利になりやすいか | 代わりにできること |
|---|---|---|
| 下がったときに慌てて全部売る | 損が確定し、枠が戻るのも翌年以降になる | 売る理由(Q1〜Q5)に当てはまるか見直す |
| 12月下旬に注文する | 受渡日が翌年になり、翌年の売却として扱われることがある | 最終約定日の目安より前に注文する |
| 同じ年に何度も乗り換える | 年間枠の360万円を早く使い切ってしまう | 枠の残りを確認してから乗り換える |
| 含み益の大きい商品から売る | 戻る枠は簿価分だけで、時価より小さい | 売る目的に合う商品から売る |
| 手数料を見ずに売る | 信託財産留保額などで手取りが減る | 目論見書で売るときの費用を確認する |
まとめ:今日からできる3つの行動
よくある質問
Q1. 新NISAで売った枠は、売った年のうちに使えますか?
Q2. NISAで売ったら税金はかかりますか?
Q3. 旧NISAで含み損がある商品は、どうすればいいですか?
Q4. 売ったお金はいつ受け取れますか?
Q5. つみたて投資枠の商品は、一部だけ売れますか?
注意
この記事は制度と一般的な考え方の解説で、特定の商品の売買をすすめるものではありません。税金や売却の判断に迷うときは、証券会社、税理士、FPなどの専門家に相談してください。
最終確認日:2026年11月3日




