まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
注意
一般的な情報提供で、特定の商品をすすめるものではありません。数字は2026年10月6日確認の公表資料によります。判断は保険者やFPにも確認してください。
がん保険の必要性は?結論は「働き方×貯蓄」の2軸
2軸で自分の位置を確認
| 生活防衛資金とは別に貯蓄100万円以上 | 貯蓄100万円未満 | |
|---|---|---|
| 会社員・公務員(傷病手当金あり) | 不要、または最低限で足りることが多い | 診断一時金50〜100万円を検討 |
| 自営業・フリーランス(傷病手当金なし) | 収入減への備えを優先して検討 | 一時金と収入減への備えを両方検討 |
がん保険が必要になる原因は?治療費より「収入減」が大きい

治療費には月と年の上限がある(2026年8月改正)
| 区分(標準報酬月額) | 改正前の月額上限 | 2026年8月〜の月額上限 | 年間上限(新設) |
|---|---|---|---|
| ア(83万円以上) | 252,600円+1% | 270,300円+1%〈140,100円〉 | 168万円 |
| イ(53〜79万円) | 167,400円+1% | 179,100円+1%〈93,000円〉 | 111万円 |
| ウ(28〜50万円) | 80,100円+1% | 85,800円+1%〈44,400円〉 | 53万円 |
| エ(26万円以下) | 57,600円 | 61,500円〈44,400円〉 | 53万円 |
| オ(住民税非課税) | 35,400円 | 36,900円〈24,600円〉 | 29万円 |
※改正前の額は厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」(2025年12月25日 医療保険部会資料)の「現行」欄。「+1%」は総医療費が一定額を超えた部分の1%です。
- 年間上限は8月〜翌年7月の合計が対象です
- 直近12か月で3回以上支給を受けると、4回目から多数回該当になります
- 2027年8月に所得区分がさらに細分化される予定です(厚労省資料)
入院は短く、通院の患者が多い
傷病手当金がない自営業は、収入減がそのまま響く
20〜30代のリスクは「2人に1人」とは別物
高額療養費があっても、がんの自己負担はいくら?1年分を試算
試算の前提(すべて仮定)
- 毎月、高額療養費の上限に届く治療が続くと仮定。4か月目から多数回該当を適用し、「+1%」部分は省略。年間上限で打ち止め
- 保険外の費用(差額ベッド代・交通費など)は月2万円と仮定
- 収入減は年収÷12を月収とし、会社員は傷病手当金があるため月収×1/3、自営業は月収全額が減ると仮定
- 年収の例:区分エ=300万円、区分ウ=500万円、区分イ=900万円
試算結果(6か月/12か月、単位:円)
| 年収・働き方 | ①医療費 | ②保険外 | ③収入減 | ④合計 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円・会社員 | 約31.8万/53万 | 12万/24万 | 50万/100万 | 約93.8万/177万 |
| 300万円・自営業 | 約31.8万/53万 | 12万/24万 | 150万/300万 | 約193.8万/377万 |
| 500万円・会社員 | 約39.1万/53万 | 12万/24万 | 約83.3万/166.7万 | 約134.4万/243.7万 |
| 500万円・自営業 | 約39.1万/53万 | 12万/24万 | 250万/500万 | 約301.1万/577万 |
| 900万円・会社員 | 約81.6万/111万 | 12万/24万 | 150万/300万 | 約243.6万/435万 |
| 900万円・自営業 | 約81.6万/111万 | 12万/24万 | 450万/900万 | 約543.6万/1,035万 |
改正前と比べると、長期治療では負担が減る
| 区分 | 6か月(改正前→改正後) | 12か月(改正前→改正後) |
|---|---|---|
| エ | 30.6万→31.8万(+1.2万) | 57.2万→53万(−4.2万) |
| ウ | 37.4万→39.1万(+1.7万) | 64.0万→53万(−11.0万) |
| イ | 78.1万→81.6万(+3.5万) | 133.9万→111万(−22.9万) |
注意
厚労省資料(2025年12月25日)では、年間上限は「まずは患者本人からの申出を前提とした運用で開始」とされています。該当しそうなときは保険者に手続きを確認しましょう。
4つの質問でがん保険のタイプを判定
判定チャート
- Q1 傷病手当金がある会社員・公務員ですか? YES→Q2/NO→Q4
- Q4 収入が止まると、住宅ローンや教育費が払えなくなりますか? YES→タイプD/NO→Q2
- Q2 生活防衛資金とは別に、すぐ使える現預金が100万円以上ありますか? YES→Q3(YESならB、NOならA)/NO→Q3(YESならC、NOならB)
- Q3 家族に乳がん・子宮頸がんの経験者がいる、または30代女性ですか?
4タイプの備え方
| タイプ | 備え方 |
|---|---|
| A 不要 | 貯蓄と公的制度で対応。浮いたお金は積立へ |
| B 最低限 | 診断一時金50〜100万円だけ |
| C 手厚め | 一時金+抗がん剤・放射線治療の月ごとの給付 |
| D 収入保障優先 | 就業不能保険などを先に検討。がん保険はBの範囲で |
がん保険と新NISA積立、どちらが良い?
- がん保険:一時金100万円、月の保険料3,000円の掛け捨て型。実際の見積もり値ではありません
- 積立:同じ月3,000円を年利3%(月複利)で運用できたと仮定
- 評価額=月額×((1+0.03/12)^月数−1)÷(0.03/12)
| 経過年数 | 保険の累計払込 | 積立の評価額 | その時点で診断された場合 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 18万円 | 約19.4万円 | 保険が約81万円多い |
| 10年 | 36万円 | 約41.9万円 | 保険が約58万円多い |
| 20年 | 72万円 | 約98.5万円 | ほぼ同じ |
注意
投資は元本保証がなく、年3%は仮定です。健康状態によっては保険に入り直せないこともあります。
ケース別:20代会社員・30代女性・自営業・40代住宅ローン
- 20代会社員:傷病手当金があり、年間罹患は約4,200例です。生活防衛資金を先に作る順番が考えられます
- 30代女性:乳がん・子宮頸がんの割合が高い世代です。上皮内新生物の扱いを確認し、検診もあわせて活用しましょう
- 自営業・フリーランス:試算では年収500万円・12か月で約577万円、うち500万円が収入減です。就業不能保険と貯蓄の組み合わせを検討しましょう
- 40代・住宅ローンあり:団信にがん保障特約が付いていないか、重複を先に確認しましょう
がん保険の選び方は?一時金の決め方と確認ポイント
一時金を決める4つの手順
- 保険証の保険者を確認し、付加給付の有無を調べる
- 2026年8月以降の上限で負担を計算し直す
- 1年分の負担から貯蓄と付加給付を引き、不足額を出す
- 提案額がその不足分として組まれているか確かめる
選び方のチェックポイント
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 一時金の回数 | 初回だけか、複数回出るか |
| 上皮内新生物 | 満額か、減額か |
| 治療給付 | 通院での抗がん剤・放射線治療に月ごとの給付があるか |
| 待ち期間 | 契約後、保障が始まらない期間の長さ |
| 払い方 | 終身払いか短期払いか |
先進医療特約は治療の実態で考える
がん保険でやってはいけないNG対応
- 旧上限のままの試算を信じる
- 入院日額だけで選ぶ:平均在院日数は17.1日(2017年)です。通院や収入減もカバーできるかを見ましょう
- 新しい保険の待ち期間が終わる前に古い保険を解約する:その間に診断されると給付が出ないことがあります
注意
乗り換えは、新しい契約の保障が始まったことを確認してからにしましょう。
まとめ:今日からできる3つのこと
よくある質問
Q. がん保険は20代でも入るべき?
Q. 高額療養費があれば、がんの自己負担はいくら?
- 全国健康保険協会「【制度改正】令和8年8月から高額療養費制度が見直されます」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/public_relations/009/002/index.html
- 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」(2025年12月25日 医療保険部会資料) https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001621844.pdf
- 全国健康保険協会「傷病手当金」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/index.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「小児・AYA世代のがん罹患」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/child_aya.html
- 生命保険文化センター(2025年度 生活保障に関する調査) https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/9156.html
- 厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/kanja.pdf
- 富士通健康保険組合「高額療養費」 https://kenpo.jp.fujitsu.com/health_insurance/m_statement/high.html
- 筑波大学附属病院 陽子線治療センター「費用」 https://www.pmrc.tsukuba.ac.jp/about_proton_therapy/cost.html
- 九州国際重粒子線がん治療センター https://www.saga-himat.jp/topics/2026/06/2026.html
※試算は本文の仮定による概算で、実際の負担額を保証しません。




