ふるさと納税と医療費控除の併用やり方|2026年分は上限が減る逆算手順
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ふるさと納税と医療費控除の併用やり方|2026年分は上限が減る逆算手順

まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
  1. 上限がいくら減るかを自分の数字で出せる一行の計算式と早見表
  2. 12月31日の寄付締切から逆算する、2026年分専用のスケジュール
  3. 翌年6月の住民税決定通知書での検算と、ズレたときの直し方

ふるさと納税と医療費控除の併用のやり方は?全体の流れ

5ステップの全体像

ステップ時期の目安やること失敗するとどうなるか
① 医療費の集計11月頃1〜10月の実績+11〜12月の見込みを合算上限の再計算ができない
② 医療費控除額の算出11〜12月上旬(医療費−補填額)−10万円削る幅が分からない
③ 上限額の再計算12月上旬後述の式で減少額を出す上限超過=自己負担増
④ 寄付の実行12月31日まで(決済完了)残り枠だけ寄付年内寄付にならない
⑤ 確定申告翌2/16〜3/15医療費控除+寄附金控除を同時申告控除が受けられない
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なぜ「寄付が先」だと危ないのか

注意

12月に高額な医療を受ける可能性がある方(出産予定、手術予定、家族の入院中など)は、寄付を12月下旬まで待つか、見込み額を多めに見積もって寄付枠を保守的に抑えるのが安全とされています。

そもそも医療費控除とは何か?ふるさと納税との違い

そもそも医療費控除とは何か?ふるさと納税との違い

医療費控除の計算式と足切り

医療費控除額 =(実際に支払った医療費 − 保険金などで補填される金額)− 10万円

※総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく「総所得金額等の5%」

※控除額は最高200万円

ふるさと納税の控除の3階建て構造

  1. 所得税分=(寄付額−2,000円)× 所得税率
  2. 住民税・基本分=(寄付額−2,000円)× 10%
  3. 住民税・特例分=(寄付額−2,000円)×(100% − 10% − 所得税率)
補足

なお総務省の現況調査結果(令和8年度実施/2026年7月31日公表)によると、2025年度のふるさと納税受入額は1兆3,314億2,800万円で前年度比4.6%増、受入件数は5,963万27件と、いずれも6年連続で過去最高でした。2025年10月の仲介サイトのポイント付与禁止後も、利用は落ち込まなかったと報じられています。

2026年分の医療費控除はなぜ増えやすいのか?高額療養費の見直し

2026年8月からの変更点

項目改正前2026年8月〜
月額上限(年収約370〜770万円)80,100円+1%85,800円+1%(約5,700円増)
月額上限(住民税非課税世帯)35,400円36,900円(約1,500円増)
年間上限なし新設(毎年8月〜翌年7月が計算期間)
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医療費控除への影響のイメージ

注意

一方で、新設された年間上限に達した後はそれ以上の自己負担が不要になるとされており、医療費が極端に高額な世帯では逆に補填が増える場合もあります。ご自身の加入する健康保険組合・協会けんぽの案内で、適用される区分をご確認ください。

医療費控除でふるさと納税の限度額はいくら下がる?計算式と早見表

式の意味と根拠

  • 10%:住民税所得割の税率(総務省ふるさと納税ポータルサイト/2025年)
  • 20%:住民税特例分の上限=住民税所得割額の20%(同上)
  • 1.021:復興特別所得税を含めるための乗率(2037年分まで)
  • 90% − 所得税率×1.021:特例分の計算式(100%−10%−所得税率×1.021)の分母

具体的な計算例

  1. 分子:500,000 × 0.10 × 0.20 = 10,000円
  2. 分母:0.90 − 0.20×1.021 = 0.90 − 0.2042 = 0.6958
  3. 減少額:10,000 ÷ 0.6958 ≒ 約14,400円

上限減少額の早見表

医療費控除額年収300万円(5%)年収400万円(10%)年収500万円(20%)年収600万円(20%)年収800万円(23%)年収1,000万円(33%)
10万円約2,300円約2,500円約2,900円約2,900円約3,000円約3,500円
20万円約4,700円約5,000円約5,700円約5,700円約6,000円約7,000円
30万円約7,000円約7,500円約8,600円約8,600円約9,000円約10,500円
50万円約11,700円約12,500円約14,400円約14,400円約15,000円約17,500円
100万円約23,400円約25,100円約28,700円約28,700円約29,900円約34,900円
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※所得税率は課税所得(年収から各種控除を引いた後)で決まるため、同じ年収でも家族構成や他の控除によって区分が変わります。表は目安としてご利用ください。

競合サイトの試算値との差はなぜ出るか

  1. 調整控除:住民税所得割額の算出時に控除される調整控除を、簡易式は考慮していない
  2. 均等割の扱い:住民税のうち均等割(定額部分)は特例分の計算に関係しない
  3. 課税所得の丸め:実際の計算では1,000円未満切り捨てなどの処理が入る

所得税率の区分をまたぐと減少幅が跳ねる

併用時にワンストップ特例が使えないのはなぜ?

無効化の意味と実務対応

  1. すでにワンストップ特例を申請済みでも、取り下げの手続きは基本的に不要
  2. 確定申告で、その年に行った寄付を1件残らず記入・添付する
  3. 「ワンストップで申請した分は書かなくていい」は誤りなので注意する

申請前なら送らなくてよい

注意

最も多い失敗は、ワンストップ申請済みの寄付を確定申告書に書き忘れるケースとされています。この場合、その寄付分は控除されません。気づいた場合は、法定申告期限から5年以内であれば更正の請求が可能です。

併用の確定申告の書き方は?e-Taxでの入力手順

準備するもの

  • マイナンバーカードと、読み取り可能なスマートフォン(またはICカードリーダー)
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 医療費の領収書(提出は不要ですが5年間の保存が必要
  • 医療費通知(マイナポータルから取得可能)
  • 寄附金受領証明書、または各ポータルサイトの「寄附金控除に関する証明書」
  • 還付金の振込先口座情報

手順1〜7

  1. マイナポータル連携を設定する:国税庁「マイナポータル連携で自動入力!」(令和7年分確定申告特集/2026年)によると、医療費通知情報を取得して医療費控除欄に自動入力できます。生計を一にする家族分も、代理人設定をすれば取得可能です。
  2. 医療費通知情報を取得する:国税庁の案内によると、医療費通知情報は毎月11日に前々月の診療分が更新され、確定申告用の1年分は原則2月9日に一括取得できます。
  3. 対象外の費用を手入力で足す:はり・きゅう等の施術費や整骨院の柔道整復療養費は医療費通知情報の取得対象外とされています。市販薬・通院交通費なども自動入力されないため、別途「医療費控除の明細書」に入力します。
  4. 補填される金額を入力する:高額療養費の払戻金、出産育児一時金、入院給付金などを、対応する医療費ごとに入力します。ここを漏らすと控除額が過大になります。
  5. 寄附金控除に関する証明書(XML)を集める:国税庁の案内(2025年)によると、特定事業者が発行するXMLデータをe-Taxで添付でき、複数サイト分をまとめて添付可能で、控除額が自動計算されます。
  6. 寄附金控除欄に入力・添付する:XMLを添付すれば、寄付先・金額・日付が自動で反映されます。紙の受領証明書しかない自治体分は、手入力で追加します。
  7. 計算結果を確認して送信する:還付額と、翌年度の住民税から控除される見込み額を確認してから送信します。

上限を超えていた場合の見え方

医療費控除を申告しない選択はアリ?損得の分岐チャート

判断フロー

  • いいえ → セルフメディケーション税制の判定へ(Q1-b)
  • はい → Q2へ
  • 例:対象薬を年3万円購入 → 控除額18,000円 → 所得税率10%なら還付+住民税減で約2,700円
  • これから → 前章の式で改定後の上限を算出し、その額まで寄付して終了
  • 済んでいる → Q3へ
  • 超えていない → 全額を確定申告して終了(何も損をしません)
  • 超えている → Q4へ
比較項目計算式年収600万円・医療費控除50万円・上限超過15,000円の例
医療費控除による減税額控除額 ×(所得税率×1.021 + 10%)500,000 × 0.3042 = 約152,100円
超過寄付の追加自己負担超過額 ×(1 − 約0.1)15,000 × 0.9 = 約13,500円
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つまずきやすいポイントと対処法

12月31日は「申込日」ではなく「決済完了日」

医療費の「補填額」の当てはめ方

共働き世帯はどちらに寄せるか

パターン医療費控除ふるさと納税向いているケース
A:高所得側に集約夫(年収700万)医療費が高額で減税効果を最大化したい
B:分散妻(年収400万)夫の上限が大きく削れる場合
C:低所得側に寄せる妻(総所得200万円未満)足切りが「総所得の5%」で下がり、少額の医療費でも控除できる
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注意

医療費控除は、実際にその医療費を支払った人が申告するのが原則とされています。世帯内での付け替えを前提にする場合は、支払いの実態と整合しているかご確認ください。判断に迷う場合は税務署または税理士にご相談ください。

2026年分 併用スケジュール逆算チェックリスト

2026年8月〜10月:情報を集める期間

  • [ ] 高額療養費の年間上限が8月起算に変わった点を確認する
  • 根拠:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」(2025年12月)
  • やらないと:払戻額の見込みを誤り、医療費控除額がずれます
  • [ ] マイナポータルで医療費通知情報を毎月11日にチェックする(前々月分が更新)
  • 根拠:国税庁 確定申告書等作成コーナーの案内(2026年)
  • やらないと:年末に集計をゼロから始めることになります
  • [ ] 対象外費用(整骨院の柔道整復療養費、はり・きゅう、市販薬、交通費)を別途メモする
  • やらないと:控除額を取りこぼします

2026年11月:年間医療費を仮確定する

  • [ ] 1〜10月の実績+11〜12月の見込みを合算する
  • [ ] 保険金・高額療養費・出産育児一時金などの補填額を差し引く
  • [ ] 10万円(または総所得の5%)を超えるか判定する
  • 超えない場合:セルフメディケーション税制の可否を確認
  • やらないと:12月の寄付判断ができません

2026年12月:上限を再計算して寄付する

  • [ ] 前掲の式で上限減少額を計算する(医療費控除額 × 0.02 ÷(0.9 − 所得税率×1.021))
  • [ ] ポータルサイトの詳細シミュレーションで、医療費控除額を入力して再確認する
  • [ ] 残り枠の範囲内で寄付する(12月中旬までの決済完了を推奨)
  • やらないと:上限超過分がそのまま自己負担になります
  • [ ] 12月に高額医療の予定がある場合は、寄付を月末まで保留する

2027年1月:ワンストップは不要

  • [ ] ワンストップ特例申請書は送らなくてよい(申請済みなら放置で可)
  • ただし確定申告書の寄附金控除欄に全件記入が必須
  • やらないと:記入漏れの寄付は控除されません

2027年2月〜3月:申告する

  • [ ] 2月9日以降、マイナポータルで医療費通知情報を1年分一括取得する
  • 根拠:国税庁 確定申告書等作成コーナーの案内(2026年)
  • [ ] 各ポータルサイトから「寄附金控除に関する証明書」(XML)を全社分ダウンロードする
  • 根拠:国税庁「ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について」(2025年)
  • やらないと:寄付先ごとの手入力が必要になります
  • [ ] 2月16日〜3月15日にe-Taxで医療費控除+寄附金控除を同時申告する
  • [ ] 領収書を5年間保存する場所を決める

2027年6月:検算する

  • [ ] 住民税決定通知書の「寄附金税額控除額」を確認する
  • [ ] 〔寄付合計 − 2,000円 − 所得税還付相当額〕とおおむね一致するか照合する
  • [ ] 大きくズレていたら、法定申告期限から5年以内に更正の請求を行う
  • やらないと:控除漏れに気づかないまま時効を迎えます

具体例・ケーススタディ

ケース1:年収450万円・独身・医療費18万円(親知らず抜歯+通院)

  • 医療費18万円、補填額0円 → 医療費控除額=180,000 − 100,000 = 80,000円
  • 所得税率10%と仮定 → 減少額=80,000 × 0.02 ÷(0.9 − 0.1021)= 1,600 ÷ 0.7979 ≒ 約2,000円
  • 元の上限が約52,000円なら、改定後は約50,000円
  • 医療費控除の減税額=80,000 ×(0.1021+0.10)= 約16,200円

ケース2:年収600万円・共働き・医療費60万円(配偶者の入院、高額療養費で12万円払戻し)

  • 医療費60万円 − 補填12万円 = 48万円 → 医療費控除額=480,000 − 100,000 = 380,000円
  • 所得税率20%と仮定 → 減少額=380,000 × 0.02 ÷ 0.6958 = 7,600 ÷ 0.6958 ≒ 約10,900円
  • 元の上限77,000円 → 改定後は約66,000円
  • 医療費控除の減税額=380,000 × 0.3042 = 約115,600円

ケース3:年収380万円・出産あり・医療費55万円(出産育児一時金50万円)

  • 医療費55万円 − 補填50万円 = 5万円 → 10万円に届かず、医療費控除は使えません
  • この場合、ふるさと納税の上限は削れないため、通常どおり寄付できます
  • 対象の市販薬購入が年3万円あれば、セルフメディケーション税制で控除額18,000円 → 減税額は約3,600円(所得税率10%想定)
補足

出産育児一時金や高額療養費のように補填額が大きいと、支払総額が高くても医療費控除の対象にならないケースは珍しくありません。「医療費が50万円かかったから当然使える」と思い込まず、必ず補填後の金額で判定してください。

3ケースの比較

ケース1ケース2ケース3
医療費控除額80,000円380,000円0円(対象外)
上限の減少額約2,000円約10,900円0円
医療費控除の減税額約16,200円約115,600円
確定申告必要必要不要(ワンストップ可)
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注意点・リスク

上限額は「見込み」でしかない

制度は変わりうる

書類の保管義務

注意

本記事の計算は簡易式による概算であり、実際の控除額を保証するものではありません。調整控除、住宅ローン控除、他の税額控除がある場合は結果が大きく変わることがあります。金額が大きい場合や判断に迷う場合は、お住まいの市区町村の税務担当課、所轄の税務署、または税理士へご相談ください。

よくある質問

ふるさと納税の限度額シミュレーションは、医療費控除を入れて計算できますか?

すでにワンストップ特例を申請済みですが、医療費控除もしたい場合はどうすればよいですか?

高額療養費で払い戻しを受けた場合、医療費控除はどう計算しますか?

医療費が10万円を超えない場合、ふるさと納税の上限は変わりませんか?

確定申告を忘れてしまった場合、後から控除を受けられますか?

  • 国税庁 タックスアンサー No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1129.htm
  • 国税庁 ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/koujyo/kifukin.htm
  • 国税庁 マイナポータル連携で自動入力! https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/mynaportal-jidou/
  • 総務省 ふるさと納税ポータルサイト 税金の控除について https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html
  • 総務省 ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)https://www.soumu.go.jp/main_content/001084951.pdf
  • 厚生労働省 高額療養費制度の見直しについて https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001621844.pdf
  • 厚生労働省 医療保険制度改正法が成立しました https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_00014.html

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