特定口座と一般口座の違い|移管は原則不可・5%課税を防ぐ全手順
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特定口座と一般口座の違い|移管は原則不可・5%課税を防ぐ全手順

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まな先生解説
こころ質問
すい要点整理

特定口座と一般口座の違いを3口座×9項目で比較

比較項目特定口座(源泉徴収あり)特定口座(源泉徴収なし)一般口座
①1年間の損益を計算するのは誰か証券会社証券会社自分で1取引ずつ
②年間取引報告書の交付ありありなし(自分で集計)
③確定申告の要否(原則)原則不要原則必要(20万円ルールの例外あり)原則必要
④マイナポータル連携による自動入力(2026年申告〜)対応対応対象外(全手入力)
⑤複数証券会社の損益通算確定申告が必要確定申告が必要確定申告が必要(計算も自力)
⑥3年繰越控除申告すれば可(毎年連続申告が条件)申告すれば可(同左)可(計算は自力)
⑦申告した場合の国保料・扶養判定への影響申告しなければ算入されにくい/申告すると合計所得に算入申告した利益は合計所得に算入申告した利益は合計所得に算入
⑧源泉徴収区分の変更期限その年の初回売却・配当受入れ前まで同左
⑨後から他区分へ移せるか他社の特定口座へ移管可他社の特定口座へ移管可特定口座へは原則不可(例外4類型のみ)
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口座区分「特定」「一般」とは何か|税務手続きの分担の違い

口座区分「特定」「一般」とは何か|税務手続きの分担の違い

あなたのその株、どの口座に入る?|流入経路フローチャート

  • 入る口座: 申込時に選んだ区分(通常は特定口座)
  • 特定口座へ移せるか: 最初から特定口座を選べば論点なし
  • 取得価額の証明: 証券会社が管理(問題なし)
  • 今日やること: 口座区分の設定画面で「特定口座(源泉徴収あり)」になっているか確認する
  • 入る口座: 原則として相続人の一般口座
  • 特定口座へ移せるか: 例外的に可能。相続・贈与は特定口座へ受け入れられる4類型の一つで、被相続人の取得日・取得価額を引き継いで受け入れられる場合があります(マネックス証券・2025)
  • 取得価額の証明: 被相続人の特定口座年間取引報告書や取引報告書が鍵
  • 今日やること: 被相続人が取引していた証券会社に「相続に伴う特定口座への受入れ」が可能か問い合わせる
  • 入る口座: 信託銀行等の特別口座から、証券会社の一般口座へ振替えるのが原則(SMBC日興証券・2025)
  • 特定口座へ移せるか: 原則不可。ただし取得価額を証明する書類が揃えば特定口座で受け入れられる場合があります
  • 取得価額の証明: 最も困難。取得価額不明のまま売却すると5%ルール直撃
  • 今日やること: 株主名簿管理人(信託銀行)に残高と名義書換日を照会し、取得時期の手がかりを集める
  • 入る口座: 引き出し先として指定した証券口座
  • 特定口座へ移せるか: 例外的に可能。持株会からの振替は特定口座受入れの4類型に含まれます
  • 取得価額の証明: 持株会事務局が拠出履歴・取得単価を保有
  • 今日やること: 引き出し手続き前に「特定口座で受け入れたい」と持株会事務局と証券会社の双方に伝える
  • 入る口座: 上場前は一般口座
  • 特定口座へ移せるか: 例外的に可能。非上場株の上場時は4類型の一つ
  • 取得価額の証明: 引受時の払込金額の記録を保存
  • 今日やること: 上場日前後に証券会社へ特定口座への振替手続きを確認する
注意

②③④⑤はいずれも「手続きの窓が開いているうちに動く」ことが重要です。振替の可否・必要書類・期限は証券会社ごとに異なるため、必ず利用中の証券会社に事前確認してください。

一般口座から特定口座への移管|原則不可と例外4類型

特定口座へ受け入れられる例外4類型

  1. 相続・贈与により取得した上場株式等(被相続人等の取得日・取得価額を引き継ぐ)
  2. 非上場株式が上場したとき(上場前から保有していた株式)
  3. 相互会社から株式会社への組織変更に伴い割り当てられた株式が上場したとき
  4. 従業員持株会から振り替えられる上場株式等

移管できない場合の現実的な3つの出口

  1. 売却して特定口座で買い直す: 含み益があれば売却時に20.315%が課税され売買手数料もかかりますが、以後は取得価額の管理と損益計算が自動化されます。含み益が小さいうちほど移行コストは小さいため、次章の税額差と天秤にかけて判断します。
  2. 保有を続けるなら取得価額の証拠を今すぐ確保する: 取引報告書・受渡計算書・持株会の拠出履歴・被相続人の年間取引報告書などを保存します。時間が経つほど復元は難しくなります。
  3. 新規買付けはすべて特定口座に切り替える: 既存の一般口座残高はそのままでも、今後の受け皿を特定口座にすることは今日からできます。

取得価額不明の代償|概算取得費5%ルールの税額シミュレーション

前提を揃えた試算(売却代金200万円・上場株式・税率20.315%)

税額 =(売却代金 − 取得費)× 20.315%

実際の取得価額(A)証明できた場合の譲渡益・税額(B)証明できず5%ルール適用時の税額(C)差額(B−A)
50万円譲渡益150万円 / 304,725円385,985円+81,260円
100万円譲渡益100万円 / 203,150円385,985円+182,835円
150万円譲渡益50万円 / 101,575円385,985円+284,410円
180万円譲渡益20万円 / 40,630円385,985円+345,355円
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取得価額を証明する4つの手段

  1. 証券会社の取引報告書・受渡計算書: 手元になければ再交付や顧客勘定元帳の写しの交付を依頼できる場合があります(対応範囲・手数料は各社で異なります)。
  2. 被相続人の特定口座年間取引報告書: 相続株の場合、被相続人が特定口座で保有していれば取得日・取得価額を引き継げる可能性があります。
  3. 名義書換日の株価 × 株数: 取得時期が特定できる場合、当時の相場から取得価額を推定する方法が実務で用いられることがあります。採否は税務署の判断となるため事前相談が安全です。
  4. 信託銀行・株主名簿管理人への履歴照会: 特別口座の株式は、名義書換の記録から取得時期の手がかりが得られる場合があります。
注意

取得価額の認定は個別性が高い領域です。金額が大きい場合は、売却前に税理士や所轄税務署へ相談することをおすすめします。売った後では選択肢が減ります。

源泉徴収あり・なしの変更期限|実質「年1回」の締切

  • 1月に1回でも売却すると、その年は区分を変更できない
  • 配当金を特定口座で受け入れた時点でも締切は到来する
  • 「利益が20万円を超えそうだから源泉ありに切り替える」という年末の判断は間に合わない

確定申告した瞬間に起きること|国保料・扶養への波及

注意

扶養・社会保険・国保料の判定基準は家族構成や自治体により異なります。影響が大きい場合は、申告前にお住まいの自治体・勤務先・税理士へ確認してください。

失敗しない選び方チェックリスト

  • [ ] NISA枠を先に使っているか: NISAは運用益が非課税の別枠制度。課税口座の区分を考えるのはその後
  • [ ] 課税口座は特定口座(源泉徴収あり)になっているか: 上場株式・投資信託だけを扱うなら、これが基本形
  • [ ] 相続株・タンス株・持株会の株を持っていないか: 該当するなら、売る前に取得価額の証拠を確保する(5%ルール回避)
  • [ ] 源泉徴収区分を変えるつもりがあるか: 変えるならその年の初回売却・配当受入れ前に手続きする
  • [ ] 国保加入または扶養内か: 該当するなら、確定申告する前に保険料・扶養判定への影響を試算する

特定口座と一般口座に関するよくある質問

一般口座で買ったのを特定口座に変更できますか?

一般口座から特定口座へ移管できる例外はありますか?

口座区分の「特定」と「一般」は何が違うのですか?

源泉徴収の「あり」「なし」はいつでも変更できますか?

相続した株式はどの口座に入りますか?

取得価額が分からない株を売るとどうなりますか?

源泉徴収ありの特定口座で確定申告すると不利益はありますか?

NISA口座と特定口座・一般口座はどう違いますか?

  • 国税庁 タックスアンサーNo.1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(2025) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.1464「譲渡した株式等の取得費」(令和8年4月1日現在法令等・2026) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1464.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.1474「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(2025) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1474.htm
  • 国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問「特定口座とは」(2024) https://www.keisan.nta.go.jp/r5yokuaru/ocat3/ocat33/cid1065.html
  • 東京都北区「区民税・都民税 上場株式等に係る課税方式の統一」(2024) https://www.city.kita.lg.jp/living/tax/1001899/1001905/1001909.html
  • 荒川区「株式や配当などの確定申告による国民健康保険料への影響」(2024) https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a031/kenkouhoken/kokuho/kabuhaitou.html
  • 日本証券業協会「特定口座の普及状況調査」(2026年8月19日更新) https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/tokuteikouzafukyu/index.html
  • マネックス証券「株式移管 一般口座から特定口座への振替え」(2025) https://info.monex.co.jp/service/transfer/general/index.html
  • SBI証券 よくあるご質問「一般口座で譲渡されたものを特定口座として約定処理ができますか?」(2025) https://faq.sbisec.co.jp/answer/5ee874f1144d40001145db71/
  • SBI証券 よくあるご質問「特定口座『源泉徴収あり/なし』の変更方法」(2025) https://faq.sbisec.co.jp/answer/5d80fb86398f346465784eeb/
  • SMBC日興証券「上場株式の取得価額の把握の仕方」(2025) https://www.smbcnikko.co.jp/service/tax_sys/other/
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(2025年12月26日閣議決定) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.pdf
  • 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025) https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
  • SMBC日興証券「マイナポータル連携による特定口座年間取引報告書の自動入力について」(2026年2月12日) https://www.smbcnikko.co.jp/news/customer/2026/n_20260212_01.html
  • GMOクリック証券「マイナポータル連携開始のお知らせ」(2026年1月28日) https://www.click-sec.com/corp/news/info/20260128-01/
  • 松井証券「マイナポータル連携」(2026年1月29日) https://www.matsui.co.jp/support/tax/mynaportal/

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