「ジュニアNISAが廃止されたけれど、いま持っている資産はどうすればいいの?」——そんな不安を抱えたまま放置していませんか。結論から言えば、2023年末で新規買付は終了しましたが、すでに保有している商品は子どもが18歳になるまで非課税のまま持ち続けられます。つまり、慌てて売る必要は一般的にないとされています。
この記事では、20〜40代で資産形成を始めたばかりの方に向けて、ジュニアNISA廃止後にまず確認すべきこと、保有を続ける・引き出す・新NISAへつなぐといった選択肢の見分け方、そして「やってはいけないNG対応」までを、メリットとリスク・手数料を併記しながら整理します。読み終えたときには、自分の家庭で次に取るべき一手が判断できる状態を目指します。
本記事は2026年6月時点の一般的な制度概要にもとづく情報提供であり、特定の投資判断や税務処理を保証するものではありません。最終的な手続きは金融機関・税理士・公的窓口でご確認ください。
まず結論:廃止後にすべきこと3ステップ
ジュニアNISA廃止後にまずやるべきは、「①保有商品の確認 → ②非課税期間の把握 → ③出口の方針決定」の3ステップです。売却を急ぐより、現状把握を先に行うのが基本とされています。
2023年末で新規の買付は終了しましたが、制度自体が消えてお金が没収されるわけではありません。すでに買い付けた投資信託や株式は、引き続き非課税で保有できます。むしろ廃止に伴い、これまで原則18歳まで認められなかった払い出しが、年齢を問わずいつでも可能になったとされています。この点はあなたの選択肢を広げる方向に働きます。
最初の3ステップを具体的に示します。
- 保有商品を確認する:証券会社のジュニアNISA口座にログインし、銘柄・数量・取得価額・現在の評価額を一覧で確認します。
- 非課税で持てる期限を把握する:お子さまが何歳で18歳になるか、それまで非課税が続くかを確認します。
- 出口の方針を決める:「教育資金として数年内に使う」のか「18歳以降も長期運用するのか」で取るべき行動が変わります。
廃止=即売却ではありません。一般的には「非課税のまま継続保有」がデフォルトの選択肢となり、現金が必要なタイミングに合わせて引き出しを検討する形が無理のない進め方とされています。
この3ステップを踏まないまま、「廃止と聞いたから」という理由だけで売ってしまうと、非課税で運用できたはずの利益を手放すことになりかねません。まずは落ち着いて現状を棚卸しすることが、後悔しないための出発点です。
「ジュニアNISA廃止」で何が変わったのか深掘り

廃止で実際に変わったのは「新規買付の終了」「払い出し制限の撤廃」「非課税保有のルール」の3点で、過去に積み立てた資産が課税対象になるわけではない、という理解が出発点になります。
ジュニアNISAは、未成年者を対象に年間80万円までの投資で得た利益が非課税になる制度でした。2023年末をもって新規の買付が終了し、制度としては役割を終えています。ここで多くの方が誤解しやすいのが「廃止されたら税金がかかるのでは」という点ですが、過去に非課税枠で買った商品は、引き続き非課税で扱われるのが一般的な制度設計とされています。
主な変更点を整理します。
| 項目 | 廃止前(〜2023年) | 廃止後(2024年〜) |
|---|---|---|
| 新規買付 | 年80万円まで可能 | 不可(終了) |
| 払い出し制限 | 原則18歳まで引き出し不可(途中引き出しは課税の扱い) | 制限が撤廃され、年齢を問わず引き出し可能とされる |
| 非課税保有 | 18歳までの非課税期間など | 18歳になるまで非課税で継続保有が可能とされる |
| 引き出し方法 | — | 払い出す場合は口座内の全額・口座廃止が前提となるのが一般的 |
特に大きいのは「払い出し制限の撤廃」です。以前は18歳まで原則引き出せず、途中で出すと非課税の恩恵が失われる仕組みでした。廃止に伴いこの縛りがなくなり、必要なときに引き出せるようになったとされています。
ただし「いつでも引き出せる」と「自由に一部だけ引き出せる」は別物です。一般的には、払い出しの際は口座内の資産を全額引き出し、口座そのものを閉じる扱いになるとされています。一部だけ売って残りは非課税で持ち続ける、という細かな調整はできないケースが多い点に注意が必要です。
つまり、廃止によって「自由度は増えたが、引き出すなら全額・口座閉鎖」という性質が生まれました。この特徴を理解しておくことが、後述する出口戦略の土台になります。
あなたの状況を見分ける:タイプ別チェック
取るべき対策は「資金をいつ使うか」と「子どもの年齢」の2軸でほぼ決まります。まずは自分がどのタイプかを見分けることが、最短の判断につながります。
対策を間違える原因の多くは、「他人の正解」を自分に当てはめてしまうことにあります。教育費としてすぐ使う家庭と、18歳以降も長期で運用したい家庭では、最適な動きが正反対になることもあります。次のチェックで現状を切り分けてみましょう。
判断のための3つの質問
- この資金を使う予定は「5年以内」か「それより先・未定」か。
- 子どもは現在何歳で、18歳まであと何年か。
- 含み益(または含み損)はどの程度か。
この答えの組み合わせで、おおまかなタイプが見えてきます。
| タイプ | 状況の特徴 | 一般的に向く方向性 |
|---|---|---|
| 長期運用型 | 子が小さく、当面使う予定がない | 非課税のまま継続保有し、18歳到来後の移管を見据える |
| 教育資金型 | 数年内に大学費用などで使う予定 | 値動きリスクを抑えつつ、必要時期に合わせた引き出しを検討 |
| 出口間近型 | 子が高校生で18歳が近い | 18歳以降の課税口座・新NISAへの流れを早めに確認 |
| 含み損気がかり型 | 評価額が取得額を下回っている | 慌てて売らず、保有継続か否かを期間と相談して判断 |
同じ「廃止後」でも、使うタイミングが違えば正解は変わります。まず「いつ使うお金か」を決めることが、すべての判断の起点になります。
たとえば、3歳のお子さま名義で当面使う予定のない資産なら、急いで動かす理由は一般的に乏しいとされています。一方、来年大学進学を控えているなら、株価変動の影響を受けにくい形に整える検討が現実的です。自分のタイプを誤認すると、本来不要な売却や、逆に必要な準備の遅れにつながります。
具体的な解決方法:保有・引き出し・移管の選び方
廃止後の打ち手は大きく「①非課税で継続保有」「②必要時に引き出し」「③18歳以降に新NISA等へつなぐ」の3つで、多くの家庭はこの組み合わせで対応できるとされています。
それぞれの方法をメリット・注意点・手数料の観点で見ていきます。
① 非課税のまま継続保有する
最も基本的な選択肢です。すでに保有する商品を、子どもが18歳になるまで非課税で持ち続けます。
- メリット:運用益が非課税のまま。長期保有による複利効果が期待できるとされる。
- 注意点:値動きのリスクは残る。元本割れの可能性は常にある。
- 手数料:多くの投資信託では保有中に信託報酬(年率コスト)がかかる。低コスト商品かを確認したい。
② 必要なタイミングで引き出す
教育資金などで現金が必要になったら払い出します。
- 証券会社で払い出し手続きを行う。
- 一般的には口座内の資産を全額売却・引き出す形になる。
- 売却益は非課税で受け取れるとされる。
③ 18歳以降に新NISAなどへつなぐ
お子さまが成人すると、本人名義で新NISA口座を開設できるようになります。ジュニアNISAの資産をそのまま新NISAへ自動で移せるわけではない点に注意が必要とされています。
ジュニアNISAの保有資産は、18歳到来後は課税口座(特定口座など)へ移管されるのが一般的とされています。新NISAへ「移す」場合は、いったん現金化したうえで本人の新NISA口座で買い直す形になることが多く、その間の値動きや手続き期間に留意が必要です。
手数料・コストの比較イメージを整理します。
| 打ち手 | 想定コスト | 税の扱い(一般論) |
|---|---|---|
| 継続保有 | 信託報酬など保有コスト | 18歳まで非課税とされる |
| 引き出し | 売買手数料(無料の場合も) | 非課税で受け取れるとされる |
| 新NISAへ買い直し | 売買手数料・スプレッド等 | 移管後の運用益は新NISAの非課税枠の対象となりうる |
自分のタイプ(前章)に照らして、どの組み合わせが無理なく続くかを選ぶのが現実的です。
ケース別の対処:子どもの年齢・目的で変わる動き方
ケースごとの最適解は異なりますが、共通する原則は「使う時期から逆算して、リスクの取り方を調整する」ことです。代表的な4ケースで具体的に見ていきます。
ケース1:子どもが未就学児(当面使わない)
時間を味方にできる典型例です。一般的には非課税のまま継続保有し、長期の値動きに付き合う方針が取りやすいとされています。途中で相場が下がっても、使うまでに時間があるため回復を待つ余地があります。ただし元本割れの可能性は残るため、家計の余裕資金で行うことが前提です。
ケース2:子どもが小学校高学年〜中学生
大学進学まで数年〜10年程度。継続保有を基本としつつ、進学が近づくにつれて値動きの影響を抑える調整を検討する段階です。「いつ・いくら必要か」を具体化し始めるとよいとされています。
ケース3:子どもが高校生(18歳が目前)
出口設計が最重要になります。18歳到来で課税口座へ移管される流れや、新NISAへ買い直す場合の手順を、金融機関に早めに確認しておくと慌てずに済みます。直前の相場急変に備え、必要額の一部を早めに確保しておく考え方もあります。
ケース4:含み損を抱えている
評価額が取得額を下回っていると、「今売るべきか」と焦りがちです。しかし、当面使わない資金であれば、慌てて売らずに保有を続ける選択も一般的とされています。一方、近く確実に使うお金であれば、これ以上の値下がりリスクを避ける判断もあり得ます。
ケースは違っても判断軸は同じです。「使う時期が近いほどリスクを抑え、遠いほど時間を活かす」。この原則に自分の状況を当てはめれば、取るべき動きが見えてきます。
迷ったときは、「このお金を予定どおり使えなかったら家計は困るか」を自問するのがおすすめです。困るなら安全寄り、困らないなら時間を活かす、というシンプルな線引きが助けになります。
予防・再発防止のコツ:廃止後に資産を放置しないために
廃止後にありがちな失敗は「放置」です。年1回の棚卸しと、出口時期の事前メモを習慣にするだけで、多くのトラブルは未然に防げるとされています。
ジュニアNISAは新規買付が終わっているため、「もう何もできない」と感じて口座を見なくなる方が少なくありません。しかし、保有資産は相場とともに動き続けます。放置によって、18歳到来時の移管に気づかなかったり、使いたいタイミングで相場が大きく下がっていた、という事態を招くことがあります。
習慣化したい4つの予防策
- 年1回の棚卸し:誕生日や年末など、決まった時期に評価額と方針を見直す。
- 出口時期のメモ:子どもが18歳になる年・月をカレンダーに記録しておく。
- コストの確認:保有商品の信託報酬が割高でないか、年1回はチェックする。
- 家計全体での位置づけ:教育費・生活防衛資金とのバランスを定期的に確認する。
「廃止された制度だから動かせない」ではなく、「非課税で運用が続いている資産」として管理する意識が、再発防止の核心です。
また、ジュニアNISAの資産だけで教育資金をまかなおうとせず、預貯金や学資保険、新NISA(保護者名義)などと組み合わせて準備しておくと、相場の影響を受けにくくなるとされています。一つの制度に依存しないことが、結果的に最大の予防策になります。
専門家・公的情報の見解
公的機関や専門家の説明でも、「廃止後も非課税保有は続く」「払い出し制限は撤廃された」という点はおおむね共通しており、慌てて売却する必要は一般的にないとされています。
制度の根拠や最新の取り扱いは、一次情報で確認するのが安全です。一般に、税制や口座のルールは金融庁・国税庁などの公的機関が情報を公開しています。
金融庁はNISA制度全般について、制度内容や変更点を公式サイトで案内しています。ジュニアNISAの取り扱いや非課税期間の考え方は、こうした公的情報で最新の内容を確認することが推奨されます。
専門家の一般的な見解としても、次のような考え方が紹介されることが多いとされています。
- 廃止は「新規買付の終了」であって「資産の没収」ではない。
- 払い出し制限の撤廃により、教育資金として柔軟に使いやすくなった面がある。
- 18歳以降の移管・買い直しのルールは金融機関ごとに手続きが異なる場合があるため、個別確認が重要。
税金や手続きの詳細は、家庭の状況(所得・他の口座の有無など)によって変わることがあります。一般的な解説をそのまま適用せず、ご自身のケースは金融機関の窓口や税理士、税務署にご確認ください。これはお金に関わる重要な判断(YMYL領域)であり、慎重さが求められます。
情報の鮮度も大切です。制度は改正されることがあるため、行動の前に「いつ時点の情報か」を必ず確認しましょう。本記事も、必ず最新の公的情報と照らし合わせてご活用ください。
やってはいけないNG対応
廃止後に避けたいのは「廃止と聞いて反射的に全額売却」「制度を理解せず放置」「他人の正解の丸写し」の3つです。いずれも後悔につながりやすい対応とされています。
NG1:廃止と聞いて慌てて全部売る
最も多い誤りです。廃止後も非課税保有は続くとされるため、当面使わない資金まで売ってしまうと、得られたはずの非課税運用の機会を手放すことになりかねません。「なぜ売るのか」を説明できないなら、いったん立ち止まるのが賢明です。
NG2:口座を一切見ずに放置する
「もう買えないから関係ない」と放置すると、18歳到来時の移管や、使いたいときの相場状況に気づけません。年1回でよいので状況確認の習慣を持つことが大切です。
NG3:SNSや知人の「正解」をそのまま真似る
資金を使う時期も子どもの年齢も家庭ごとに違います。「○○すべき」という断定的な情報を自分の状況を確認せずに適用するのは危険です。
NG4:一部だけ引き出せると思い込む
前述のとおり、払い出しは全額・口座廃止が前提となるのが一般的とされています。「少しだけ引き出して残りは非課税で持つ」ができると誤解したまま計画を立てると、想定が崩れます。
「必ず儲かる」「これをやれば安心」といった断定的な情報には特に注意してください。投資には常に元本割れの可能性があり、確実な結果を約束できる方法は存在しないとされています。
これらのNGに共通するのは「理解より先に行動してしまう」点です。本記事の前半で示した3ステップ(確認→把握→方針決定)の順番を守るだけで、多くの失敗は避けられます。
よくある質問
Q1. ジュニアNISAが廃止されたら、今持っている資産は課税されますか?
いいえ、過去に非課税枠で買った資産は引き続き非課税で扱われるのが一般的とされています。廃止は新規買付の終了を意味し、保有済み資産が課税対象に切り替わるわけではないと説明されています。詳細はご自身の金融機関でご確認ください。
Q2. すぐに売却したほうがよいですか?
一概には言えませんが、当面使わない資金であれば慌てて売る必要は一般的にないとされています。非課税で保有を続けられるため、まずは資金を使う時期と子どもの年齢から方針を決めるのが基本です。近く確実に使うお金は、値動きリスクを抑える検討も選択肢になります。
Q3. 子どもが18歳になったら、自動で新NISAに移りますか?
いいえ、自動では移りません。一般的には課税口座へ移管され、新NISAで運用したい場合は本人名義の新NISA口座で買い直す形になることが多いとされています。手続きは金融機関ごとに異なる場合があるため、早めの確認が安心です。
Q4. 一部だけ引き出して、残りは非課税のまま持てますか?
難しいとされています。払い出す場合は口座内の資産を全額引き出し、口座を廃止する扱いになるのが一般的です。一部のみの引き出しを前提とした計画は立てないほうが無難です。
Q5. 含み損のときはどうすればいいですか?
使う時期によります。当面使わない資金なら、慌てて売らず保有を続ける選択も一般的とされています。近く使う予定の資金であれば、これ以上の値下がりを避ける判断もあり得ます。最終的な判断は、家計への影響を踏まえ、必要に応じて専門家に相談することが推奨されます。
---
廃止後のジュニアNISAは、「もう動かせない口座」ではなく「非課税で運用が続く資産」です。まずは保有状況を確認し、使う時期から逆算して方針を決める——この順番を守ることが、後悔しないための最善策とされています。判断に迷う場合は、金融機関や税理士など専門家への相談をご検討ください。
*本記事の最終確認日:2026年6月30日。制度内容は改正される場合があるため、行動前に金融庁・国税庁などの公的な最新情報を必ずご確認ください。*
